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植物オイルの効果とは?ミネラルオイルとの違いを知ろう
アルガンオイルやココナッツオイルなど、何かと話題の美容オイル。顔に塗るだけでなく、ヘアケアや化粧落としとしても使える、便利なアイテムですね。
また、クレンジングオイルなどに配合されているミネラルオイルもありますが、このミネラルオイルと植物オイルは何が違うのでしょうか?
化粧品には様々な種類のオイルが配合されていますが、それぞれの効果や特徴をご存知ですか?今回は植物性オイルの種類と、ミネラルオイルとの違いをご紹介します。
植物性オイルの種類と効果
アルガンオイルやホホバオイル、ココナッツオイルなど植物から抽出するオイルを植物性オイルと呼びます。まずは代表的な植物性オイルの効能をご紹介しましょう。
アルガンオイル
抗菌作用、炎症鎮静作用があり、火傷やニキビなどに効果があります。血行を促進しターンオーバーを正常な状態に戻してくれるビタミンE、保湿や紫外線のダメージから肌を守ってくれるオレイン酸が豊富です。
美容効果だけでなく食用として使用すれば、脂肪酸がコレステロールを減らす働きをして、生活習慣病の予防にも役立ちます。
ココナッツオイル
トコトリエノールやラウリン酸などの抗酸化作用に優れた成分が含まれています。トコトリエノールはビタミンEの一種で、非常に高い抗酸化作用があり、肌の老化の原因となる活性酸素を除去して、しみしわを防ぎます。
また、ココナッツオイルのおよそ50%を占めるラウリン酸は母乳の成分でもあり、抗酸化作用とともに免疫力を高めたり、抗菌作用があります。ニキビ予防はもちろん、できてしまったニキビにも効果的です。肌の再生を促す効果もあるのでやけどや擦り傷の治療にも効果があります。
シアバター
常温では固形の為、バターと呼ばれていますが、シアの木の実から抽出して作られた植物性オイルです。肌につけると体温で液体に変わりスッと伸びます。 成分の大部分を占めているステアリン酸とオレイン酸は人の皮脂と構造が似ている為、肌馴染がよく、保湿効果が期待できます。
栄養素もビタミンD・E・Kと豊富ですが、注目すべきはアラントインと言う成分です。アラントインは抗炎症作用と、細胞の増殖効果があるので、火傷の治療や湿疹などの肌疾患に効果的です。クレアラシルなどのニキビ薬やメンソレータムなどの肌荒れに効く軟膏には、このアラントインが含まれています。
また日々のケアに取り入れれば、肌荒れの防止、予防になります。新しい皮膚の成長を促す作用があるので、ニキビ跡やシミを目立たなくさせたり、古い角質を自然に取り除き、ターンオーバーを促す作用があります。
ホホバオイル
北アメリカの砂漠地帯に生息するホホバの実から抽出したオイル。ワックスエステルという、人間の皮脂と分子構造が同じ成分が含まれるため肌馴染みがよく、べたつきも少ないのが特徴。その為、低刺激で敏感肌の方でも安心して使えます。
また、ビタミンA,D,Eやアミノ酸などの栄養素が含まれていて、血行を促進して新陳代謝を活発にします。 抗酸化作用があり、乾燥から肌や髪を守ってくれますのでヘアオイルとしても人気があります。ホホバオイルは分子構造が小さく、肌に浸透しやすいのでパックや毛穴に詰まった汚れをとるスペシャルケアに最適です。
ローズヒップオイル
南米やアフリカ南部に生息する野生のバラの実から抽出したオイル。ビタミンCを豊富に含んでいるのでシミくすみに効果があります。また果実には抗酸化作用のあるベータカロテンが豊富に含まれています。
ベータカロテンはビタミンAが不足している時には体内でビタミンAに変換され、肌や粘膜を守ります。名前に“ローズ”と付いていますが、バラのような良い香りではなく、魚のような生臭さがありますので顔に付ける場合、抵抗があるかもしれません。
抽出方法で変わる栄養分と保存期間
せっかく植物性オイルを使用するなら抽出方法にもこだわりましょう。抽出方法には熱処理による溶剤抽出法と、低温圧搾方法(コールドプレス)があります。
溶剤抽出法は原料となる植物と石油系溶剤を混ぜ合わせて加熱し、油分を抽出する方法です。抽出後、溶剤を取り除くために更に高温で加熱して、溶剤だけを蒸発させます。何度も高温にさらされるため、大切なビタミン類などの栄養素が壊れてしまうばかりでなく、風味も損なわれます。
低温圧搾方法は熱を加えずに圧力だけで搾り取る方法です。この方法は時間がかかる上に採油効率が悪く、価格が高くなってしまいます。しかし出来上がったオイルは、植物油本来の風味や栄養分が壊されることなく、しっかりと残るのでお勧めです。
栄養素を重視するなら断然コールドプレスですが、溶剤抽出に比べると酸化しやすく、長期保存には向きません。また敏感肌や、アレルギーを持っている人はコールドプレスのオイルは肌に合わない場合があります。
いきなり大量に使わず、パッチテストなどで大丈夫か確かめてから使い始めましょう。
呼び方で変わる?ミネラルオイルのイメージ
化粧品に配合されているオイルとして、植物オイルより良く使われているのが、ミネラルオイルです。
ミネラルオイルの“ミネラル”とは鉱物、つまり石油系のオイルのこと。 ミネラルオイル(鉱物油)は石油を蒸留して精製、漂白したものです。 昔からあるワセリンやベビーオイルに使用されている流動パラフィンなどにあたります。
ミネラルオイルと聞くとなんだか低刺激の肌に優しいオイルのように聞こえますし、鉱物油と聞けば体に害のある刺激の強いオイルのように聞こえますね。言葉の響きでまったく逆の印象を与えますが、この鉱物油とはどんなものなのでしょうか?
ミネラルオイルの歴史とメリット
ミネラルオイルはクレンジングや乳液、クリームや日焼け止めなどの粘性の高いものに使われています。しかし油やけをおこしたり、色素沈着が起きるといわれて、鉱物油フリーの化粧品が販売されるなど敬遠されているのも事実です。
1970年代頃までは鉱物油の精製度は今ほど高くなく、不純物がかなり含まれていました。その不純物が原因で色素沈着などの肌トラブルもあったそうです。その為、未だにシミ・色素沈着の原因になるといわれています。
しかし現在では精製技術も上がり、不純物が混じるようなことはなくなりましたので、そのような心配はありません。
鉱物油のメリットは酸化しにくく、低刺激なので多くの人が使用する化粧品に配合出来ることです。また配合することでクリームや乳液の伸びが良くなり使い心地が向上します。さらに原料コストがかなり安いことも化粧品メーカにとっては大きなメリットと言えるでしょう。
そんなメリットいっぱいの鉱物油は、皮膚に吸収されないのでクレンジングオイルに使われていたり、クリームなどに入れることで外部の刺激から肌を守ってくれる効果もあります。傷口の保護に使われているワセリンもこの特性を利用しています。
ミネラルオイルのデメリット
先ほど皮膚に吸収されないと紹介しましたが、配合するアイテムによってこれがデメリットとなることもあります。肌に吸収されないので保湿クリームなどに入っていると油の膜が肌を覆い、毛穴をふさいで皮膚呼吸を妨げてしまいます。
私たちの肌の表面には天然の皮脂膜があり水分の蒸発を防いでいます。乾燥している時には皮脂腺から皮脂が分泌されますが肌の表面に脂分が足りていると皮脂腺は分泌をやめてしまいます。この脂分がたとえ自分で分泌した脂分でなくてもです。
そのため、肌表面に脂分があると、皮脂が分泌しない状態が長期間続きます。やがて皮脂線は退化してしまい、肌が乾燥しても自ら分泌する能力が失われてしまうのです。(免疫能力の低下)だからと言って鉱物油を否定するわけではありません。
使い人によって変わる、メリットとデメリット
低刺激で酸化しにくく、肌に膜を張ってバリアする鉱物油はアトピーの方やアレルギーのある方の肌を外部の刺激から守ってくれるのです。実際に医療現場では、湿疹や低温やけどなどにワセリン系軟膏を処方している皮膚科もあります。
このように外部刺激から皮膚を守るために使う場合は低刺激な鉱物油はお勧めです。
しかし通常の肌の方が毎日使う化粧品にこの鉱物油が入っているのはお勧めできません。鉱物油入りの化粧品は使う人の肌質によって良くも悪くもなるでしょう。
植物性オイルと鉱物油の相違点
植物性オイルと鉱物油の大きな違いは肌への親和性です。鉱物油は肌に吸収されず、 皮膚呼吸を妨げてしまいますが 植物油は栄養価も高く、肌への吸収率も良いです。
また、つけた後に肌になじんでいきますので皮膚呼吸を邪魔したり、皮脂分泌を妨げる心配がありません。
さらに植物性オイルには、ミネラルなどの栄養素がたっぷり詰まっているので美容オイルとして使用するのにお勧めです。
植物性オイルのデメリット
こんなにメリットの多い植物性オイルでもデメリットはあります。最大のデメリットとしては酸化しやすいことではないでしょうか?そのため長期保存が出来なかったり、知らない間に酸化したオイルを顔につけてしまい、肌トラブルになる可能性もあります。
また、植物性=安全という考えは少し危険です。例えば精油のベルガモットは光毒性があったり、ティーツリーも経口毒があり扱いには注意が必要です。
植物性オイルは基本的に栄養素が高く、美容オイルとしてお勧めですが、選ぶ際には自分の体質や、どんな栄養素が自分に必要なのかよく考えて選びましょう。ミネラルオイルにも、植物オイルにもそれぞれメリットデメリットがあります。
また同じ種類のオイルでもメーカーが異なるとテクスチャーや香りの強さなども異なるように感じます。口コミの良い化粧品が必ずしも自分に合うものとも限りませんし、結局のところは自分で使ってみて使い心地を確かめてみるのが1番です。
広告のキャッチフレーズやパッケージで判断せずに自分に合う商品を見つけてみてくださいね。