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医薬部外品と一般化粧品って何が違うの?有効成分とは?
皆さんは新しく化粧品を購入する時どんな基準で選んでますか?効能、値段、ネットでの口コミなど、購入を決定する要素は様々ですが必ず見るのはその化粧品の広告ではないでしょうか?
広告には様々なメリットが書かれていますが、その中でも薬用化粧品とよばれる医薬部外品にはその効果がハッキリと書かれていて、いかにも効果がありそうですね。
でもこの医薬部外品とは一体どういったものなのでしょうか?医薬部外品は一般の化粧品と何が違うのでしょうか?今回は一般化粧品と薬用化粧品の違いや、特徴についてご紹介します。
医薬品・医薬部外品・化粧品の違い
薬事法で定められている医薬品・医薬部外品・化粧品の定義はこのようになっています。
・医薬品
人や動物の治療や予防に使われる、いわゆる「薬」 厚生労働省がその効果を認可したもので、 使用すると人や動物の体に影響を及ぼします。
・化粧品
人の体を清潔にしたり、美しく変えたりする為の物。皮膚や毛髪を健やかに保つ為に使用し、その作用が緩やかな物を指します。
2001年より厚生労働省の認可が不要になり、各メーカーの判断で開発出来るようになりました。国からの認定がされていないので、医薬部外品のように効果を謳う事ができません。
・医薬部外品(薬用化粧品)
医薬品と一般化粧品の中間に位置します。医薬部外品は厚生労働省によって15のカテゴリに分けられていて、その中の一つに薬用化粧品と呼ばれる、シャンプーやパックなどを含む基礎化粧品類があります。
一般の化粧品の定義に加えて、かぶれやあせもを予防したり、育毛の促進や口臭、体臭の殺菌消毒に使われる物を指します。またニキビ、油性肌の予防や、日焼け後の火照りを防ぐ効果があるものなど、厚生労働省が効果を認めた「有効成分」が入っています。
効果が認められてはいますがその働きは緩やかで、予防の範囲に収まる程度のものです。有効成分を一定量配合できるので、広告やパッケージなどにはっきりとその効果が宣伝できます。このように薬用化粧品と化粧品では、その効果効能を宣伝できるかが大きく異なります。
例えば、化粧品の場合「ニキビを出来にくくします。」や「シミ予防が期待できます。」など、曖昧な表現にとどまるものが、薬用化粧品だと「ニキビを防ぎます」や「シミを予防します」とその効果をハッキリと宣伝できるのです。
薬用化粧品に認定されるまでには動物実験、人での臨床試験を経て、最終的に厚生労働省の薬事 ・食品衛生審議会での承認と、厳しい審査が必要となります。さらに発売後も市販後調査が義務づけられていて、問題がないようにチェックされています。
いかがでしょうか?消費者からすれば薬用化粧品の方が断然魅力的に写りますよね。“薬用”と付いていたり、厚生労働省から認可された有効成分が入っているのですから、一般の化粧品に比べてぐっと信頼出来るように感じませんか?
薬用化粧品の有効成分
薬用化粧品には、 厚生労働省が許可した有効成分か一定量配合されています。 この有効成分は具体的にどんな効能があるのでしょうか?
トラネキサム酸
元々は止血剤、消炎剤として使用されていた成分を改良したもので、メラニンの生成を抑制する効果と日やけなどによる炎症を抑える効果があります。
ビタミンC誘導体
ビタミンCは元々もろく、壊れやすい為そのまま化粧品に配合するのは難しい物質でした。そこでビタミンCを改良して安定させたのがビタミンC誘導体です。
アルブチン
皮膚科などでも使用されている肌の漂白剤で、コケモモやナシの葉から抽出された成分です。メラニンを発生されるシロチナーゼの働きを抑制します。
エラグ酸
イチゴ、ラズベリー等から抽出した、ポリフェノールの一種です。強い抗酸化作用があり、アンチエイジングの他、炎症を抑えたり、美白効果もあります。
プラセンタエキス
豚などの胎盤から抽出しています。胎盤にはメラニンを創るチロシナーゼを抑制する効果がある為、美白化粧品に配合量されています。また、ビタミンやミネラルが豊富で細胞の新陳代謝を促す作用があります。
カモミラET
カモミールから抽出。メラニンの成分を抑えてシミソバカスを防ぎます
アレルギー抑制作用や炎症を抑制する作用があります。
ヒノキチオール
ヒバなどから取れる成分で抗菌効果や炎症作用があります。アトピー性皮膚炎による肌のかゆみや炎症を和らげる働きがあります。
尿素
尿素は天然保湿成分MNFの中の成分の一つで保湿作用に優れています。皮膚を柔らかくする効果もあるので、角質が溜まって固くなった肌に有効に効きます。
ユーカリ油
ユーカリには吸れん作用や抗炎症作用があります。また、高い抗菌作用がある為、化粧品だけでなく虫よけ剤やデオドラントなどにも試使されています。
薬用化粧品のデメリット
ここまで薬用化粧品のメリットを紹介しましたが、もちろんデメリットもあります。具体的にどんなデメリットがあるか見てみましょう。
薬用化粧品中に含まれる成分が制約されている
医薬部外品中の成分は「医薬部外品原料規格2006」に記載しているものに限られています。それ以外の成分を使いたい場合は厚生労働省に申請し承認されなければなりません。配合率も範囲が決まっており、その範囲内で配合しなければなりません。
一方、一般の化粧品は独自に配合成分や配合率を決定できます。そのため成分を自由な割合で配合出来たり、効果が期待できる最新の成分を配合することが可能なのです。(もちろん配合禁止成分などの規定はあります)
例えばビタミンC誘導体が配合されている化粧品は一般化粧品でもたくさんありますね。薬用化粧品では、配合率は3%と決められていますが一般化粧品ではその規定がない為、さらに高配合の商品も増えてきています。しかし薬用化粧品でないため、その効能を謳う事はできません。
薬用化粧品よりも高配合であるのに、その効果が宣伝できないなんてちょっと違和感がありますね。
国が認めている=安全ではない。
つい最近ニュースで取り上げられた白斑問題。肌が白くまだらに変色する被害が起きましたが、原因はロドデノールという美白成分が入った薬用化粧品だったのはご存じでしょうか。 過去には九州の化粧品メーカーが販売した石鹸が原因でアレルギーを発症する問題がありましたが、こちらも医薬部外品でした。
実験を重ね、国に認可された後も、市販後調査を行うわけですから安全で有る筈だと過信してしまいます。しかし薬にも副作用があるように、薬用化粧品にも稀にこのような副作用が起きてしまう事もあるのです。またここまで問題にならなくても人によって合う合わないはあります。
以前、私も薬用の敏感肌用化粧水を使った時期がありました。敏感肌用と記載されていたし、何よりとても人気のある商品でしたので、敏感肌の私でも大丈夫だろうと安心して購入しました。しかし、使ってみると肌に合わず被れてしまいました。
ロングセラー商品で今でも大人気の化粧水ですが、やはり全ての人に合う化粧品はないと言うことでしょう。
医薬部外品には、全成分表示義務がない
一般の化粧品は全ての成分をパッケージに記載し、どんな成分が入っているのか消費者がわかるようになっています。しかし、薬用化粧品の場合は全成分表示義務がありません。有効成分以外に何が入っているのか知ることができないのです。
中には自主的に成分を表示している薬用化粧品もありますが、一般の化粧品の様に成分の配合量の多い順に記載する義務もありませんので、成分表示の記載順からメインの成分を知ることもできないのです。
全成分表示義務をきっかけに化粧品の中にどんな成分が入っているのかひと目で判るようになりました。これによって例えばアルコールにアレルギーがある人はアルコールフリーを選んだりと、自分に合わない成分が判るようになった人は多いのではないでしょうか。
よく薬用化粧品に「敏感肌用」と記載されている商品がありますが、薬用化粧品だからと言って合成香料や石油系添加物が入っていないとは限りません。化粧品の成分にアレルギーを持っている人は、全成分がわかる一般の化粧品から選んだほうがいいかもしれませんね。
また最近では、全成分表示の他にキャリーオーバーの成分まで公開していたり、素材の生産地を公開していたりと、自社製品にこだわりを持ったメーカーも増えてきました。一般化粧品の中にも素晴らしい商品はたくさんあります。
余り薬用化粧品と一般化粧品を区別して選ぶ必要はないのではないでしょうか?大切なのは自分の肌に合うかどうか、とてもシンプルな事なのです。
薬用化粧品の宣伝文句に惑わされず、購入前にはサンプルで試してみたり、店頭で確かめて自分の肌に合うものを見つけてください。