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敏感肌とつき合うために知っておきたい3つのポイント
「私、敏感肌なんです!」という人はお手入れにも充分気を使っていると思いますが、自己流のケアはかえって症状を悪化させることもあります。。
そこで今回は、敏感肌の人のための正しいスキンケアのコツを3つ紹介します。
そもそも「敏感肌」ってどういう状態なの?
正しいケアのコツの前に、「そもそも敏感肌ってどういう状態になのか」について知っておきましょう。カギを握っているのは肌のいちばん上の「角層」もしくは「角質層」と呼ばれる部分。まずはそこから説明しますね。。
角質層の厚さは約0.02ミリ。たとえならラップ程度の厚さです。とても薄っぺらですが、角質層は私たちの肌、ひいては身体の活動を守るうえでふたつの大きな役割を果たしています。。
「バリア機能」
(1)ほこりや菌などの外部刺激が、内側に入るのを防ぐ。
(2)体の水分が、過剰に蒸散するのを防ぐ。
「保湿機能」
角質層全体のうるおいをキープする。
文字だけ読んでみるとどうってことないですが、角質層の働きは実に偉大です。たとえば私たちが砂漠や熱い地域に行っても平気なのは角質層のおかげ。角質層がなければ、私たちの身体じゅうから、あっという間に水分が蒸発してしまうのです。。
敏感肌の角質層はもろくて壊れやすい
角質層は主に「表皮細胞」と呼ばれる細胞でできています。表皮細胞は「セラミド」という成分によって、まるでレンガがセメントで固められるように、しっかりとくっついて存在しています。レンガが表皮細胞、セメントがセラミド、というわけですね。。
さらに、表皮細胞のなかは「NMF(ナチュラル・モイスチャライジングファクター)」と呼ばれる成分で満たされています。「表皮細胞」「セラミド」「NMF」の3つによって、角質層は健康な状態に保たれているのです。。
ところが、何かの原因でセラミドやNMFが不足したり、表皮細胞がしっかりしていなかったりすると、角質層がもろい状態になります。セメントやブロックがもろいとレンガの壁全体が崩れてしまうのと同じです。これがいわゆる敏感肌の状態。。
角質層は、いわば肌の内側を守る「壁」。壁がしっかりしていないと、外からの刺激を防御することもできませんし、内側からの流失も防ぐことができません。上で紹介した「バリア機能」や「保湿機能」も、うまく機能しなくなってしまうのです。。
そうなると肌は、極端に乾いてちょっとしたことに刺激を受けやすくなります。だからこそ、敏感肌は「ヒリヒリ刺激を感じる」「乾いてキメがあれる」といった症状がテキメンに出てくるわけですね。。
刺激を与えないために特に気をつけたい3か条
敏感肌のスキンケアでいちばん大切なのは「とにかく刺激を与えない」「肌を徹底的に守る」、このふたつです。そのために具体的に心がけてほしいことを3つ紹介しましょう。。
(1)クレンジング&洗顔料を正しく選ぶ
(2)使うアイテムは自分の肌を基準に選ぶ
(3)絶不調のときはオイルだけでケアをする
まずは「(1)クレンジング&洗顔料の選び方」から詳しく解説します。。
クレンジングはミルクかクリームタイプを
クレンジングと洗顔は、無意識のうちに「顔をなでる・こする」という動作が多くなる行為です。その分肌に刺激を与える可能性が大きくなるので、アイテム選びにもお手入れの方法にも気を使わなければなりません。。
クレンジングを選ぶときは「超マイルドでしっとりした洗い上がりのもの」を基準に。できれば「敏感肌用」とされているブランドのものがベストです。少なくともオイルタイプは避けて、ミルクタイプかクリームタイプのものを選びましょう。
洗顔料は肌の調子によって2種類使い分ける
洗顔料は2種類そろえて、朝と夜、もしくは季節によって使い分けるのがおすすめ。
・「泡立たない美容液タイプの洗顔料」
・「泡立ちが抜群によく、かつ洗い上がりが超しっとりの洗顔料」
・・・そろえたいのはこのふたつです。前者の「泡立たない美容液タイプの洗顔料」は肌の調子がとても悪いとき、乾きやすい秋冬などに使います。
後者の「泡立ちが抜群によく、かつ洗い上がりが超しっとりの洗顔料」は、比較的肌の調子がいいときや、肌が汚れやすい春先や夏、もしくはクレンジング後の夜などに向いています。それぞれを次から詳しく説明しましょう。
「泡立たない美容液タイプの洗顔料」って何なの?
泡立たない洗顔料なんてあるの?という人もいるかもしれません。「泡立たない」とは、「泡立ちがいい洗顔料目指して作ったけど、イマイチ泡立たなくなっちゃった」という意味ではありません。
実は、そもそもこういったタイプの洗顔料は最初から「ほとんど泡が立たない」ことを前提に作られています。なぜかというと、保湿成分を大量に配合するため。実は洗顔料というものは、製法上保湿成分を多く入れるほど泡が立たなくなるのです。
「泡立たない美容液タイプの洗顔料」は、普通のタイプの洗顔料をはるかに超えたレベルで保湿成分を配合することを狙っているので、そもそも普通の洗顔料とまったく違う処方で作られています。
どうしてそんなことをしているのかというと、保湿成分を確実に補いながら洗えるようにするためです。極端な乾燥肌や敏感肌は、少しの水に触れただけでうるおいが逃げてしまうので、このような商品設計になっているわけですね。
使い方も少し変わっていて、「なでるように肌になじませてから洗い流す」というのが一般的。慣れないうちは違和感があるかもしれませんが、どうしようもなく肌がヒリつくときは本当に重宝するので、ぜひ1本常備しておきましょう。
数はあまり多くありませんが、「コスメデコルテ」や「クラシエホームプロダクツ」、 「花王ソフィーナ」などから「泡立たない洗顔料」「美容液タイプの洗顔料」として発売されています。
泡で洗うなら「洗い上がり超しっとり」を目安に
続いて、「泡立ちが抜群によく、かつ洗い上がりが超しっとりの洗顔料」についてお話ししましょう。こちらは肌の調子が比較的いいときや、肌が汚れやすい夏や春先、もしくは夜のクレンジング後などに使います。
こちらで重要なのはとにかく「泡立ち」。泡立ちがいいほど、洗顔の動作で生じる手の摩擦が肌に伝わりにくくなるからです。最初から泡で出てくるタイプのものなどを活用してもいいでしょう。
いずれにしても洗顔するときはゴシゴシこすらないことが大切。優しくなでるように、肌をいたわって洗いましょう。すすぎは超ぬるま湯(32~34℃程度)で行うのも大切なポイントです。
毎日使うからこそ「肌に合うかどうか」が大切
化粧水や乳液など、「つけるスキンケアアイテム」はできれば「敏感肌用」と書いてあるものが無難です。・・・が、肌が敏感になる原因は人によって違うので、一概にはいえない部分もあります。
敏感肌用のブランドでも肌に合わない場合もあれば、むしろ敏感肌用ではないブランドのほうが好相性のこともあります。ですから自分の肌にいちばん合っている、つまりトラブルを起こさずに使えるものを選ぶのがベストでしょう。
「オーガニック」「自然派コスメ」には要注意
ただ、気をつけてほしいことがひとつだけあります。それはオーガニックもしくは自然派のコスメ。「オーガニック」「自然派」と聞くと、何となく敏感肌にも優しそうな気がしますよね。
でも、その認識は絶対に正しいとはいえません。こういったブランドのコスメは特に敏感肌に向けて作られているわけではないからです。
どんなコスメにも、美容成分や植物成分は必ず含まれていますよね。それらの成分は敏感肌には刺激になることがあるので、「敏感肌用コスメ」の場合は、何らかの方法で必ず処理されています。たとえば美容成分が直接肌に触れないよう、コーティングしたりカプセル化したりするのです。
しかし、「オーガニックコスメ」や「自然派コスメ」は、添加物や処理工程をできるだけ少なくするため、抽出した植物成分をそのまま配合していることがほとんど。でも自然そのままの、いってみればむき出しの成分は、肌にとって刺激になることも少なくありません。
たとえば小さいころ、草や木などに触って肌がかぶれたことはありませんか? 要はあれと同じことが起こるかもしれないのです。肌に合っていてトラブルはない、というならいいのですが、少しでも刺激を感じるなら避けたほうがいいでしょう。
何かあったときに頼れるオイルを常備
普段のお手入れコスメに加えて、ぜひ常備しておきたいのがフェイスオイルです。
敏感肌の人は、「痛いほどヒリヒリして普段使っていた化粧品も合わない」という状況になることがありますよね。そういったときは全部の化粧品を一度やめて、洗顔後はオイルだけを塗るようにします。
ヒリヒリするときは「オイルだけのケア」
「オイルだけ? 化粧水ぐらい塗ったほうがいいんじゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、肌が過敏になりすぎているときは、むしろオイルだけのほうがいいのです。
なぜかというと・・・「痛いほどヒリヒリして普段使っていた化粧品も合わない」というのは、上で紹介した角質層の働きが極端に崩れている証拠。いわば、肌の調子が「マイナス」の方向にかなり傾いているわけです。
化粧水などに含まれる美容成分は基本的には「ゼロ」を「プラス」に導く働きをするものです。ですから「マイナス」の状態になっている肌に美容成分を与えても、よけいな刺激になるだけなのです。
肌が極端に過敏になっているときは、まずは肌を「マイナス」から「ゼロ」の状態に戻すことに集中しましょう。外からの刺激を完璧にシャットアウトしつつ、内側からのうるおい蒸発を防ぐことで、壊れてしまった肌の機能を立て直さなければなりません。
それにぴったりなのがオイル。オイルは「フタをする役目」を果たしてくれるので、肌を保護するのには最適です。洗顔後すぐ、肌が乾ききらないうちにたっぷり塗ります。
このケアを2~3日続ければひどい状態はだいぶ治まってくる・・・つまり、肌の調子が「マイナス」から「ゼロ」に回復するので、そのタイミングで普段のスキンケアに戻しましょう。
ちなみにオイルは、馬油やローズヒップオイル、オリーブオイルなど肌に合うものなら何でも構いません。できれば無添加で不純物ゼロのものがいいでしょう。ただしエッセンシャルオイル入りのものは避けたほうが無難です。
ちなみに「資生堂 dプログラム」、「イプサ」などからは極端な乾燥肌用のためのバーム状のオイルも発売されています。
「同じお手入ればかりしない」ことが大切
ほかにも気をつけるべきポイントはいくつかありますが、上で紹介した3つを心がけるだけでも、症状はかなり治まってくるはずです。
いずれにしても敏感肌は体調や季節によってバランスが崩れやすいのが特徴です。いつも同じお手入ればかりせず、肌の調子によってアイテムやお手入れ方法をこまめに変えるようにしましょう。