-
肌質で選ぶ
-
運営者情報
BAだけじゃない!化粧品メーカーで働く人の仕事内容とは?
化粧品会社の人というと、どんなイメージを思い浮かべますか?わかりやすいのはカウンターにいるビューティ・アドバイザー、BAさんかもしれませんね。
しかし、化粧品会社はあくまで製品を作っているメーカーですから、私たちには見えないところでいろいろなことを手掛けている人たちがいます。
今回は、BAさん以外にどんな人たちがどんなふうに化粧品にかかわっているのか、化粧品メーカーで働く人の仕事内容についてみていきましょう。
化粧品に使う成分や技術を研究する「研究者」
化粧品を売るには、まず化粧品を作らなければなりませんよね。そのために懸命に研究を重ねているのが「研究者」の人たちです。一口に研究者といっても、そのジャンルはいろいろです。
たとえば、植物などのエキスを研究するのはバイオ系の研究者。いっぽうで乳化やカプセル技術などを研究するのは化学系の研究者です。また、容器やブラシに使う材質を研究している人もいます。
例として「アンチエイジング美容液」をあげましょう。まず、メインのアンチエイジング成分を研究しているバイオ系の研究者の人がいます。その美容成分を製品に配合するには、カプセル技術や乳化技術が必要なので、そういった研究をしているのが化学系の研究者、というわけです。
このような研究を重ねている人たちの情熱には並々ならぬものがあります。たとえば、ポーラが独自に開発した美白成分「ルシノール」は、実用できるレベルになるまで10年かかったといわれています。10年間もひとつの成分を研究し続けるなんて、ちょっとすごいですよね。
また、資生堂のマスカラ液を開発する男性研究者は、まつげの短い人の気持ちを知るために、自分のまつげを短くカットしたそうです。
ちなみに日本の大手コスメ会社は、国内のいくつかに研究所や大きな工場をもっています。ポーラと資生堂は横浜、花王は都内の墨田にそれぞれメインの研究所があって、実にたくさんの人たちが、日夜研究に励んでいます。当然のことですが、ほとんどの人が理系の大学を卒業して就職した人がほとんどです。
30代おすすめ化粧品ランキングはこちら。
メイクアイテムを開発する「研究者」
そのほかに、化粧品会社ならではの研究者もいます。それはメイクの傾向や流行を分析・研究している人たち。毎シーズンたくさんのメイクアイテムが登場しますが、それらの色や質感を考案するのは彼らの仕事です。
たとえばアイシャドウパレット。いろいろな質感&色が組み合わさってひとつのパレットになっていますが、どういう色を組み合わせるか、配合するパールのバランスをどうするか、はたまた付属のブラシをどうするか…などは、この人たちが考えています。
メディアでよく取り上げられる有名なメイクアップアーティストに岡野瑞恵さんという方がいますが、彼女は実は資生堂の出身。資生堂時代には当時大流行したメイクアップブランド「ピエヌ」や、ひどいケガややけど跡に悩む人のためのファンデーションの開発に携わりました。
ちなみに化粧品会社のCMやポスターには必ずその会社と契約している女優やタレントが出ていますよね。撮影のとき彼女たちにメイクをするのも、各社のメイクアップアーティストです。
どんな製品にするかを研究する「商品開発」
化粧品には、研究者のほかにも「商品開発」という人たちもかかわっています。文字だけ読むと「研究者」とどう違うのか、ちょっと疑問に思いますよね。
ちょっと乱暴な言い方ですが、研究者の人たちが「理系」なのに対して、商品開発の人たちはいわゆる「文系」です。研究者たちは、成分や処方には詳しいですが、市場の動向やマーケティングに詳しいわけではありません。
そこで活躍するのが商品開発の人たち。自社で開発された技術や成分と、マーケティングの動向、ブランドのコンセプトなどを照らし合わせて、「じゃあ、この成分と処方を使って、今シーズンはああいう製品を作ろう」と考えるわけです。
スキンケア製品にしてもメイク製品にしても、テクスチャーを決定するのも商品開発の人。スキンケア製品にはサラッとした質感からリッチなものまでさまざまありますが、あれは各ブランドの商品開発の人が、買う人の好みを考えて決めているのです。
また、パッケージや容器、箱のデザインを決定するのも商品開発の人です。ブランドのコンセプトに合わせて、各現場からあげられてきた試作品のなかから、最終的なものを決定します。
某外資ブランドの商品開発の担当者は、パウダーファンデーションを作るときに「コンパクトの閉まる音」にまでこだわったというエピソードがあります。「まるでベンツの扉を閉めるときのような、ラグジュアリーな音」を目指して、いくつもの試作品を作ったそうです。
また、できあがったサンプルの耐性を調べるのも商品開発の人。これは某国内ブランドのファンデーションの例ですが、春夏用のファンデーションの使用感を調べるため、わざわざ湿度の高い海外の国に行って、「まる1日化粧直しをせずに過ごす」という実験を自分たちでやった、という話もあります。
かと思えば、研究者たちと手を組んで、消費者の美容行動を調査することもあります。実際に私たち消費者がどんなふうに顔を洗っているか、どんなふうにメイクしているかなどを調べるのです。
その結果、「日本人と欧米人では、マスカラのつけ方がまったく違う」「洗顔料が『泡立った』と認識する感覚は人によってまったく違う」などなど、なかなか面白い調査結果が出るわけです。
そういった結果から、どんな製品を作ればより多くの人に使いやすい製品になるのかを考察するわけですね。
できあがった商品をメディアに宣伝する「商品PR」
よし、化粧品ができた!さあ売ろう!と思っても、化粧品は世の中にあふれていますから、宣伝しなければ存在を知ってもらうことすらできません。そこで登場するのが「PR」の人たちです。
PRの人たちが働きかけるのが、雑誌や新聞、WEBなどを作っている人たちです。もちろんお金をかけて自社でも宣伝しますが、それ以外に、誌面や画面で自分たちの商品を取り上げてもらうよう働きかけるわけです。
特に、この人たちが力を入れて売り込むのが雑誌の編集者。メイク好きの女性たちは、たいてい女性雑誌を読んでいますから、そういった雑誌に取り上げられれば売り上げ向上につながります。
ですから新製品が出るたびに、PRの人たちはサンプルを持って各編集部を訪ね歩いたり、はたまた華やかな発表会を開いたりして、自分たちの会社の製品を知ってもらう努力をします。
景気があまりよくない昨今ではありえない話ですが、バブルのころ某外資ブランドは、ハワイで新作コスメの発表会を開き、各雑誌の編集長を全員招待したこともあったそうです。
それぞれの店舗に製品を手配する「営業・販売」
直営店舗をもっている化粧品ブランドはそう多くありません。化粧品は、車などと違って百貨店やドラッグストア、化粧品専門店などに卸すことで、初めて私たち消費者とつながります。
そこで活躍するのが「営業」の人たち。会社によっては、「販売」という名前になっていることもあります。営業・販売の人たちの仕事は実にさまざまです。
たとえば百貨店の担当者は、各店舗にどれだけの個数を卸すかを検討します。またクリスマスシーズンになると、おまけのポーチやミニサイズのサンプルが店舗限定でついてきたりしますよね。ああいったおまけをどうするか、どこから調達するかを考えるのも営業・販売の仕事です。
いっぽうでドラッグストアや地域の専門店の担当者は、各店舗を回って、お客さんに渡すサンプルを補充したり、店頭に飾るポップを用意したりします。
ドラッグストアに行くと、よく特定の商品だけをやけにクローズアップした手書きのポップがあったり、小さなサンプル袋が詰まったセットがあったりしますよね。あれは、各メーカーの営業・販売の人が独自に作って、店舗に置いて回っているのです。
化粧品は、たくさんの人の情熱でできています
ここで紹介したのはほんの一部。でも、私たちが普段何気なく店で見かけて買っている化粧品が、そこに至るまで実にいろいろな人の努力や情熱が加わっている…ということがわかってもらえたでしょうか。
もちろんそれを知ったからといって何か役に立つわけではありませんが…でも、これだけたくさんの化粧品があふれていて、そこから選んで買うことができるというのはとても幸せなことですよね。ときにはその幸せをかみしめつつ、鏡に向かってみてはどうでしょう。
いろんなタイプのスキンケアお試しセットを集めてスキンケアランキング作りました~