いつものメイクを簡単に「着物メイク(和装メイク)」にする方法とは?

いつものメイクを簡単に「着物メイク(和装メイク)」にする方法とは?和装メイクのポイントを紹介します。

結婚式への出席や学校の入学式・卒業式など、年に数回着物を着るチャンスがありますよね。着物はよほどのことがなければ着こなしに失敗することはありませんが、その代わり気をつけてほしいのがメイクです。

いつもと同じメイクをしていると、まったくきれいに見えないどころか、下手をすると、ものすごく下品な印象になってしまいます。そこで今回は、いつものメイクを簡単に着物向けにする方法を紹介します。

着物向けメイクは、使うアイテムとちょっとしたコツさえ押さえれば、難しいテクニックは必要ありません。

ポイントになるアイテムは「①プレストパウダー」「②真っ赤な口紅」「③赤いアイシャドウ」そして「④グレーのアウブロウ」。この4つのアイテムさえうまく使えば、品よく美しい着物メイクが楽しめますよ。

メイク前のスキンケアも意外と大事。ということで、いろんなタイプのスキンケアトライアルセットをまとめてみました~

肌は「プレストパウダー」で明るめのマット肌にする

では順番に説明しますね。まず気をつけたいのが「肌」。普段は自分の肌色にジャストな色、もしくはちょっと暗いくらいのファンデーションを使っていると思いますが、着物のメイクではちょっと違います。

ベストなのは普段のメイクよりも一段明るめ、「いつもよりちょっと白いかな?」と思うくらいのトーン。また、ツヤ肌に仕上げるのもNGです。「ちょっと明るめのマット肌」を目標にしましょう。

かといって、たまにしか着ない着物のために、わざわざファンデーションを買い直すのもばからしいですよね。そこで買い足したいのがプレストパウダー。普段のファンデーションで仕上げたら、ちょっと白めのプレストパウダーを顔全体にふんわりとつけます。

普段のメイクなら「立体感を強調するために部分的につける」だのなんだの、ややこしいテクニックが必要ですが、着物のメイクでは難しいことは考えなくて大丈夫。大きめのフェイスブラシかパフに含ませて、顔全体に薄くつけるだけです。

買ったプレストパウダーは、着物のメイクで使い終わったら普段のメイクに使います。この場合はTゾーンや鼻すじなど、化粧直しのときに部分的に使いましょう。顔立ちにメリハリが出てきれいです。

買うのは安いもので充分。また、ちょっと値は張りますが、何色か入っているタイプのものなら、ブレンドしだいで色が調整できるので便利です。

ちなみにチークはつけなくても構いません。…が、チークをつけていないと違和感があるという人は、手持ちのチークをごく淡くつけましょう。若々しくかわいらしい印象にしたいならピンク系、ちょっと大人っぽく見せたいならオレンジ系やコーラル系がおすすめです。

いずれにしても着物のときにチークを濃く入れすぎるとおかしな印象になるので、普段よりも薄く淡く、が鉄則です。

それでは、私がおすすめするプレストパウダーをご紹介します。

キャンメイク マシュマロフィニッシュパウダー。リーズナブルな1015円で購入できるプレストパウダーです。

・キャンメイク マシュマロフィニッシュパウダー マットライトオークル
とにかくお金をかけたくない人におすすめ。さらっとマットに仕上がって、値段以上の仕上がりと使い心地を堪能できます。

ただ、安いせいか付属のパフだとあまりきれいにつかないことがあります。そのときは手持ちの上質なパフか、大きめのフェイスブラシを使いましょう。パフもしくはブラシに含ませたら、一度手の甲などでよくなじませてから顔につけましう

・ベキュアハニー ふんわりやさしいポアベールパウダー 透明タイプ
もともと色白な人にはこちらがおすすめ。色がつかない透明タイプのフェースパウダーで、質感だけをマットに整えてほんのり明るく白い肌になります。

毛穴をごまかす効果もあります。ほんのり香るハーバル系の香りも高ポイント。白くなりすぎないので、和装のとき以外でも活用しやすいです。

RMK プレストパウダーN 01 白と明るいベージュを基調に4色がセットされたプレストパウダーで今回紹介した4アイテムの中では4860円とお高めです。

・RMK プレストパウダーN 01
白と明るいベージュを基調に4色がセットされたプレストパウダー。着物のときは、白を多めにブラシかパフに含ませて全体的にふんわりと乗せましょう。

普段のメイクではベージュを多めにして、ハイライトやメイク直しに使います。アーティストブランドだけあってちょっとお高めですが、とにかく仕上がりがきれいです。

・HABA エアリープレストパウダー ナチュラルルーセント
光を乱反射させる特殊な粒子を採用しているので、毛穴や小じわなどの暗い影をきれいにごまかしてくれます。質感はマットでも、明るく透明感ある肌を演出できます。

皮脂を吸収するパウダーを配合しているところもうれしいポイント。テカりを長時間予防する効果もあります。鉱物油や合成色素を使っていないので、肌が敏感になりやすい人でも安心です。

オイリー混合肌の私のファンデーションが浮く原因は、乾燥しているときと、角質がたまって肌がザラザラしている時。肌乾燥が進んでいるときには保湿スキンケアが◎保湿ケアできるトライアルセットをまとめてみました。

唇は「真っ赤な口紅」をぷっくりと塗る

和装メイクとして良いのは真っ赤な口紅だったりします。具体的に紹介していきます。

着物のときのリップはとにかく「赤」。それ以外の色や、色をつけずにグロスだけにすると、とたんに下品な印象になってしまうのでやめましょう。着物との相性がいちばんいいのは「真っ赤」、いわゆる血の色。もっとわかりやすくいうとよく熟したイチゴの赤色です。

でも「そんな色、真っ赤すぎて抵抗あるなあ」という人はやや黄みを帯びた「朱色」もおすすめ。大人っぽく仕上げたいときは赤さのトーンを暗めに抑えた「ボルドー」がいいでしょう。

つけるときは直塗りするのではなく、リップブラシを使うのが鉄則です。リップブラシでまず輪郭をきれいに描いたら、「唇に塗りこむ」ように全体につけていきます。

唇のシワの凹凸までしっかりと塗るのがコツ。ちなみに輪郭を描くときは、素の唇よりもちょっとだけふっくら気味、ほんの少しだけ外側に大きくなるように描くときれいです。

和装に似合う口紅は、次のアイテムです。

和装メイクにオススメなのは、シャネル ルージュアリュール ヴェルヴェット。高級感があります。

・シャネル ルージュアリュール ヴェルヴェット ♯38
いくつかあるシャネルの口紅のなかでもいちばんパキッとした発色になるのが「ルージュアリュール」。なかでも後発の「ルージュアリュール ヴェルヴェット」のシリーズは、ツヤを抑えたシックなテイストが魅力です。

着物のメイクにおすすめなのは「♯38 ラ ファシナント」。真っ赤というよりはボルドーに近く、上品で大人っぽい口元に仕上げてくれます。もうちょっと若々しい印象にしたい、という人は同じ「ルージュアリュール」の「♯99ピラート」でもいいでしょう。

こちらはリーズナブルなHABA リッチカラー ルージュ ノーブルレッド。

・HABA リッチカラー ルージュ ノーブルレッド
パールが配合されていないので、かなりマットに発色します。その分色が濃く見えて、本当に舞妓さんのような口元に仕上がります。このうえなくきれいな「正統派の和装顔」になりますが、顔立ちによっては「ちょっと古臭い」印象になる場合もあります。

ただ、この手の色を上手に使えれば本当に肌が白くきれいに見えるので、着物のときはぜひチャレンジしてみたい色。どんな着物にも世代を問わず合いますが、特に寒色系の着物と相性がいいです。

カネボウ化粧品 ケイト カラーラッピングは、トーン暗めです。

・カネボウ化粧品 ケイト カラーラッピングRD2
赤は赤ですが、ちょっとトーンが暗めの「深い赤」。でも「ルージュアリュール ヴェルヴェット」ほど濃くなりません。鮮やか過ぎる赤は抵抗があるという人や、大人っぽく見せたいけどあんまり色が濃すぎるのも困る、という人におすすめです。

値段も手ごろ。ただ、よくも悪くも色が長く持続するタイプではありません。汚くにじんだりすることはないですが、その分いつのまにか色が消えてなくなりがちです。写真撮影の前などには塗り直すといいでしょう。もっとパキッとした印象の赤に仕上げたい人は「RD1」もおすすめ。

・コーセー ヴィセ カラーポリッシュ リップステイック RD421
いわゆる正統派の赤、つまり「真っ赤」。でもツヤ感があるので古臭くならず、今風のテイストもきちんと演出してくれます。でもちょっと赤すぎるなあ、という人は同じラインの「RD420」もチェック。

こちらは朱色に近い赤で、肌の黄みが強い人や、黄色系の着物の人に向いています。コンシーラー成分が配合されているので、もともとの唇の色が悪くてもきれいに発色する、というのも高ポイント。

唇までケアできるユーグレナ化粧品オールインワンクリーム使ってみました。感想を写真つきで使用感報告しています。

目元の色は控えめ。「赤いアイシャドウ」を効かせて

目元の色は控えめ。「赤いアイシャドウ」を効かせるのが、和装メイクの特徴です。

着物のときにいちばん難しいのが目元。いちばん目につくパーツなので、ここにおかしな色を持ってくるとすごく妙な印象になってしまいます。普段と同じアイメイクは絶対にやめましょう。

上でもお話ししたように、着物のときは唇を「真っ赤」にして目立たせたほうがいいので、目元にはあまり色を使わないほうがベターです。アイシャドウよりもアイラインやマスカラなど、「色」よりも「線」を強調するアイテムで目元のスッキリ感を演出します。あとは「赤」をポイント的に効かせます。

「アイメイクに赤を使うの!?」とびっくりする人もいるかもしれませんが、着物の時のアイメイクは赤がいちばん上品できれいに見えるのです。舞妓さんのメイクを想像してください。

舞妓さんのアイメイクは、目尻だけに赤をちょっと乗せてありますよね。もちろんあれと同じにするわけではありませんが、着物のアイメイクには赤がベスト、ということをよくわかってもらえると思います。

では具体的にテクニックを紹介しましょう。まず、薄いベージュやピンクなど、色味があまりつかない色をまぶた全体に乗せます。その後、まぶた4分の1の幅を目安に、目尻のほうがやや太くなるように、目の際に赤のアイシャドウを塗ります。

「塗る」というよりは「太めの線を入れる」ような感覚です。普段のアイシャドウの引き締め色よりは細いイメージですね。細めのアイシャドウチップか、もしくは細めのアイメイク用ブラシを使うとうまくいきます。

仕上げに黒のマスカラを塗り、さらに目を大きく見せたい人は黒のアイライナーでアイラインを描きます。アイライナーはペンシルタイプでもいいですが、リキッドタイプのほうがより和装っぽいテイストになります。

これだけではもの足りないという人は、白のアイペンシルで下まぶたにアイラインを入れましょう。それ以外は極力何もしません。着物のときは、目元にはあまりごちゃごちゃした色を入れないほうがいいのです。

そんな和装のアイメイクにピッタリなのが、次のアイテムです。

資生堂 マジョリカマジョルカ シャドーカスタマイズ RD422の紹介をする感じ。画像はメタリックのPK421です。

・資生堂 マジョリカマジョルカ シャドーカスタマイズ RD422
「赤いアイシャドウは着物用にしか使わない」という人はこちらをチェックしてみて。安いので気軽に買うことができます。

ただ、パールが配合されているうえにやや発色が弱いので、どちらかというとちょっとポップで若々しい仕上がりになります。ラインっぽく効かせるというよりは、ふんわり広めにのせるといいでしょう。

・コーセー ヴィセ リップ&チーククリーム RD1
リップにも顔にも使えるクリームタイプ。和装のときだけは目元に使って、普段は口元&目元に使うといいでしょう。濃すぎす薄すぎない発色で、和装メイクの初心者でも使いやすいです。

筆だとうまくのらないこともあるので、細めのチップを使いましょう。一度手の甲でチップとクリームをよくなじませてから目元に塗るのがコツ。クリーム状なのでくずれにくく、もちがいいのもうれしいですね。

少し暗めのマリークワント アイオープナーR01はこんな色味をしています。

・マリークワント アイオープナー R01
「真っ赤」というよりは、「少し暗めの赤」なので、目立ちすぎず、落ち着いた自然な印象になります。着物のときはちょっと濃いかな、と思うくらい乗せても大丈夫ですが、普段のメイクでは淡くふわっとぼかして。

使いやすいので赤のアイシャドウを使うのが初めてな人にもおすすめ。よりかわいらしい印象にしたいなら真っ赤な「R07」もいいでしょう。

・アディクション ザ アイシャドウ アリス
メイク上級者にとにかくおすすめしたい色。パールが配合されていない、マットなタイプの赤で、ここまでパキッと発色する赤は滅多にないかもしれません。

見たままの鮮やかな赤がくっきり発色するので、あまり太く乗せすぎないこと。細めの筆か小さいアイシャドウチップにとって、目尻の部分だけやや太くなるように乗せると洗練された印象になります。

目元のたるみが…な時は、本気のシワ取り対策「資生堂レチノバイタルスキンケア」もお試しセットがあります。オラクルトライアルセットには、オーガニックな目元美容液も入ってます。

「グレーのアイブロウ」で、眉は太く短く

着物のときは、ちょっと極端ですが、広瀬すずのような、「黒い・太い・短い眉毛」が好バランス。普段は茶眉・細眉の人も、着物のときは「広瀬すず眉」を目指しましょう。ブラウンのアイブロウしか持っていない人は、ぜひグレーのアウブロウを買い足してください。

「わざわざ買うなんて!」と思う人もいるかもしれませんが、最近のアイブロウのグレーは、かなり茶に近いトーンになっています。着物以外のときも使いやすいですし、ブラウンよりも落ち着いた印象に見えます。この機会にぜひ1本買っておきましょう。描き方は、「普段の眉毛より太く短く、ちょっと濃く」を心掛けます。

細めの楕円形をしているオルビス ペンシルアイブロー グレーはこんな感じのビジュアルをしています。

・オルビス ペンシルアイブロー グレー
肌になじみやすい自然なグレー。ごくごくシンプルな色です。芯の形が細めの楕円形なので、一本一本丁寧に栓を描きたいという人におすすめ。持つ方向を変えるとラインの太さを微妙に変えることもできます。とにかく細かく修正しつつ描けるので、左右対称にするのが苦手な人にも向いています。

花王 オーブクチュール デザイニングアイブロウGY803は、3つの機能を持ってます。

・花王 オーブクチュール デザイニングアイブロウGY803
楕円形の芯とチップタイプのパウダー、そしてとかせるスクリューブラシが1本になっています。芯のほうはかなり茶に近いグレー、パウダーは正統派のダークなグレーになっています。芯で描いて上からパウダーを重ねることで、なじみやすい自然なグレー眉に仕上がります。

コーセー エスプリーク Wアイブロウ GY002はリキッドとパウダータイプの両方がセットになっています。

・コーセー エスプリーク Wアイブロウ GY002
リキッドタイプとパウダータイプ、2種類のアイブロウがセットになっています。こちらもリキッドで眉尻などを描き足してからパウダーで仕上げるときれいです。リキッドのほうは、グレーというよりもトーンの暗い茶といったような感じ。

パウダーはかなり色の淡いグレーで、少しずつ重ねていくことで色味を足していくタイプです。べったり濃くつかないので失敗しにくく、簡単にナチュラル太眉にできます。

・資生堂 マジョリカマジョルカ ブローカスタマイズ(ソードカット) アッシュブラウン
グレーがかったブラウンで、ちょうと茶とグレーの中間のような色合いです。普段は茶髪にしているという人はこのくらいの色にすると違和感がありません。

太めの楕円芯で太めの眉も描きやすさ満点。眉尻は芯の面を寝かせて細くなるように描き、中央部分は芯を立てて太く描くとうまくいきます。

資生堂 プリオール 美リフトアイブロー グレーはちょっと他にはないタイプの色味があるそうです。

資生堂 プリオール 美リフトアイブロー グレー
「プリオール」は資生堂のなかでもちょっと年齢層が高いブランドですが、良品がそろっているのでぜひともチェックしたいブランド。なかでもアイブロウはなかなかの秀逸品で、他のブランドにはない絶妙な色合いになっています。

3色あるうちの「グレー」はちょっと赤みを帯びためずらしい色。茶髪の人がこの手の色にすると不自然ですが、黒髪の人なら断然おすすめ。肌が白くきれいに見えます。

メイクにも手間ひまかけて、和装スタイルを完璧に!

最後にもう一度、着物のメイクのポイントになるアイテムをおさらいしますね。「①プレストパウダー」「②真っ赤な口紅」「③赤いアイシャドウ」そして「④グレーのアイブロウ」の4つです。

もちろん全部わざわざ新しく買う必要はありません。手持ちのアイテムをうまく使って、あとは必要なものだけを買い足しましょう。せっかく手間暇かけて着物を着るのですから、メイクもひと手間かけて、ぜひ理想の和装スタイルを完成させてください。

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