美肌菌が肌の基礎力を上げる！肌フローラを整えて素肌美人に！

「肌フローラ」という言葉が、ここ最近聞かれるようになりました。

腸内フローラ同様、皮膚に棲む細菌のバランスのことで、この細菌の存在が美肌に大きく作用しています。

菌という言葉から肌に悪影響を及ぼしそうなイメージですが、肌にいる善玉菌は「美肌菌」と呼ばれるくらい、美しい肌には不可欠なもの。

「ニキビや肌荒れが治らない」という人は、美肌菌がうまく育っていないのかもしれません。

細菌環境を整えてあげることで、持ち前の美肌力が目覚め、トラブル知らずのお肌が手に入ります。

それでは、お肌の細菌との上手な付き合い方をご紹介していきたいと思います。

肌フローラとはどんなもの？

人間の皮膚には全身で約1兆個以上、顔だけでも200億個の細菌が存在します。これを皮膚常在菌と言います。

皮膚常在菌には善玉菌、悪玉菌、そして日和見菌があり、それぞれの代表的な菌と特徴が下記です。

善玉菌

代表的な菌・・・表皮ブドウ球菌

特徴・・・「美肌菌」と呼ばれる、肌に良い働きをする菌。悪玉菌から肌を守り、潤いをキープしてくれます。

日和見菌

代表的な菌・・・アクネ菌

特徴・・・通常は善玉菌とともに肌を弱酸性に保ちます。悪玉菌の勢力が強ければ、悪玉菌に変化。増えすぎるとニキビの原因に。

悪玉菌

代表的な菌・・・黄色ブドウ球菌

特徴・・・かゆみやニオイの原因となる菌。炎症を誘発し、肌荒れを悪化させます。アトピー肌に多く存在。

これら皮膚の常在菌が群生している様子がお花畑（＝フローラ）のように見えることから、“肌フローラ”という呼び名が付けられました。

腸内や口内にも常在菌は存在し、同じく腸内フローラ、口内フローラと呼ばれています。

肌フローラの理想的な常在菌バランスは、善玉菌＋日和見菌：悪玉菌＝10：0
悪玉菌が存在しないことが、肌にとってベストなのです。

あなたのお肌はどのような状態でしょうか？簡単にチェックしてみましょう。

1.乾燥している
2.吹き出物がある
3.赤み・かゆみがある
4.あぶらとり紙をよく使う
5.朝・夜とも洗顔料で顔を洗っている

2項目以上あてはまった場合、肌フローラのバランスが乱れている可能性が高いと言えます。

では、肌フローラが整った肌と、乱れた肌では、どのような違いがあるのでしょうか？

肌フローラが整うメリット

肌フローラが整った肌には、大きなメリットがあります。

それは、お肌が「皮脂膜」というバリアで守られること。

皮脂膜とは、乾燥や外部刺激から肌を守ってくれるもの。人が生まれながらに持ち合わせている「肌のバリア機能」において非常に重要な役割を担っています。

まずは、肌のバリア機能について、説明したいと思います。

肌のバリア機能

引用元：肌の構造、バリア機能について

バリア機能とは肌の一番表面にある「角質層」による機能で、肌の乾燥を防いだり、雑菌やほこりなどの外部刺激から肌を守ってくれるものです。

角質層には「3大保湿因子」というものが存在します。

・肌の一番外側を覆って水分の蒸発を防ぐ「皮脂膜」

・角質細胞内で水分を保持する「天然保湿因子（NMF）」

・角質層の細胞と細胞の隙間を埋め、水分の蒸発を防ぐ「細胞間脂質（セラミド）」

これら３つがバランス良く整っているとバリア機能が働き、肌の潤いは保たれ、外部の刺激から守ってくれます。

そして肌の常在菌は、肌の一番表面にある皮脂膜に存在し、新たな皮脂膜を作り出すための手助けをしているのです。

善玉菌の表皮ブドウ球菌は、肌表面にある皮脂を食べ、脂肪酸とグリセリンを排出します。この脂肪酸とグリセリンに、汗と皮脂が混ざり合い生まれるのが皮脂膜です。

グリセリンも脂肪酸も保湿成分。そのため、これらを成分にした皮脂膜には高い保湿効果があり、人間が作り出す天然保湿クリームと言われています。

このように、バリア機能のなかでも皮脂膜はとても大きな役割をしています。皮脂膜の役割をさらに詳しく見てみましょう。

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皮脂膜の役割

皮脂膜の役割は大きく分けて2つ。

角質層の水分が蒸発しないよう、しっかりと閉じ込める。

角質層には、水分を保持する役目の「天然保湿因子（NMF）」と、細胞の隙間を埋めて水分の蒸発を防ぐ「角質細胞間脂質（セラミド）」が存在します。それを守るように、肌の一番表面を「皮脂膜」が覆っています。

この皮脂膜が角質層から水分が蒸発するのを防いでくれるので、潤いのあるみずみずしい肌が保てるのです。

異物や紫外線が肌の内側に侵入しないように防ぐ。

皮脂膜がしっかりと張り巡らされていると、ホコリやチリなどの外からの異物が肌内部に侵入するのを防ぎます。

紫外線も同様、肌のバリア機能がきちんと働いていれば、日常のちょっとした紫外線なら防御が可能。

多少入り込んでしまっても、角質層内の天然保湿因子（NMF）や細胞間脂質（セラミド）が紫外線を吸収するため、角質層より奥にある細胞が紫外線のダメージを受けにくくなります。

このようにホコリやチリ、紫外線の肌への侵入は、皮脂膜自体の力で防いでいます。しかし皮膚上で繁殖する病原菌に関しては、皮脂膜に存在する肌フローラが深く関係しています。

健康な肌は弱酸性と言われるように、善玉菌が繁殖している肌フローラの整った皮脂膜は、弱酸性に保たれています。それに対して、悪玉菌の多い肌フローラが乱れた皮脂膜は、アルカリ性。

悪玉菌の黄色ブドウ球菌など多くの病源菌がアルカリ性の肌でどんどんと繁殖を進めるため、肌トラブルや肌の病気が発生してしまいます。

肌フローラが整った肌は善玉菌の宝庫です。善玉菌が皮脂膜となる成分を作り、皮脂膜を弱酸性に保つからこそ、肌が健康でいられるのです。

肌フローラが乱れると起こる肌トラブル

肌フローラが乱れた肌は、善玉菌が減り悪玉菌が増大している状態。

悪玉菌は炎症や肌荒れを引き起こす菌のため、増えると肌に悪影響を及ぼします。

また、表皮ブドウ球菌が減ってしまうということは、新たな皮脂膜を作るための成分が少なくなるということ。皮脂膜が不足するとバリア機能も低下します。

引用元：皮膚自体を紫外線に抵抗力のある状態に保つこと

実際に、善玉菌が減り、肌フローラが乱れた場合に起こる肌トラブルが次になります。

ニキビ・炎症

善玉菌の勢力が大きい時は、日和見菌も悪玉菌も肌に影響を与えることはありません。しかし、善玉菌の勢力が弱まってくると、日和見菌のアクネ菌や、悪玉菌の黄色ブドウ球菌が活性化し、肌に悪影響を及ぼします。

アクネ菌は毛穴の奥に棲み、皮脂を食べて脂肪酸を作ります。アクネ菌が増殖すると、作られる脂肪酸も増殖。増えすぎた脂肪酸が刺激となり、毛穴に炎症が起こります。これがニキビを発生させる原因に。

また、黄色ブドウ球菌は炎症やかゆみを引き起こすのが特徴。

皮膚に生息する細菌類は何かしらの毒素を出しているのですが、黄色ブドウ球菌は他の皮膚常在菌に比べて特に強い毒素を排出。毒素が強い分、炎症もひどく、アトピー性皮膚炎の悪化にもつながります。

乾燥肌・敏感肌

新たな皮脂膜が生産されなければ、皮脂膜のバリア機能は衰えてしまい、皮脂膜の弱った部分から角質層に溜め込まれた水分が蒸発。

蒸発が続けば肌はどんどんと乾燥が進み、肌荒れやシワを作ります。

また、皮脂膜がしっかりと張られていない肌は、外部の刺激が肌内部に入り込んでしまうため、少しの摩擦や刺激でも痛みや痒みが伴うなど非常に敏感な状態に。

それに加え、敏感肌の場合は、少しの紫外線にも過敏に反応して、メラニンを過剰に生成。シミやくすみもできやすくなります。

このように肌フローラが乱れることで、様々な肌トラブルが発生するのです。

特に乱れやすいのが4月。冬場に汗をかかなかったのが、暖かくなり、汗をかき始める時期です。

長い期間使っていなかった汗腺には、汚れなどが詰まっているため、最初の頃は質の悪い汗が出てきます。

汗には良い汗と悪い汗があり、良い汗はサラサラで、悪い汗はベタベタしています。ベタベタした汗は悪玉菌が好むアルカリ性のため、悪玉菌が活性化しやすくなるのです。

この時期にかいた汗は、こまめに拭き取るように心がけましょう。

肌フローラを整える方法

常在菌のバランスが肌の健康を守るのにとても重要なことがわかりました。では実際、どのような方法で常在菌を管理すればよいのでしょうか？

悪玉菌が繁殖しているなら悪玉菌をやっつければいい、と考えがちですが、残念ながら、悪玉菌だけを減らす方法はありません。

そこで、善玉菌を増やすことで、悪玉菌を押さえ込む方法が用いられます。日常生活に取り入れたい、善玉菌を増やす育菌スキンケアをご紹介します！

洗いすぎない

クレンジングや洗顔料を使って洗顔すると、常在菌の90％が洗い流されてしまいます。しかし肌に残った10％の常在菌が15～20分ほどで増殖し、新しい皮脂膜を作り出し、肌を弱酸性に戻します。

肌が備えるこの能力が「アルカリ中和能」と呼ばれるもの。

しかしこの15～20分という時間は、健康な肌の人が弱アルカリ性の純石けんで洗顔をした場合です。合成界面活性剤を使ったクレンジングや洗浄力の強い洗顔料を使うと、常在菌は肌にほとんど残らず、スムーズに増殖できません。

そのため育菌を重視するなら、ミネラルファンデーションなどクレンジング不要の化粧品を使うのがおすすめです。

さらに朝は洗顔料を使わず、水かぬるま湯のみの洗顔がおすすめ。朝に洗顔料を使うと、皮脂膜ができ上がっていない状態で外出することになり、紫外線やチリ・ホコリなど、外部からの様々な刺激をダイレクトに受けてしまいます。

洗顔後に水気を拭き取る際も、タオルでゴシゴシこすらないよう、優しく拭き取ってください。

汗をかく

皮脂膜を作り出すためには、しっかりと汗をかくことが大切。

皮脂膜は皮脂と汗が混ざり合ってできたものですから、汗が不足しては、新しい皮脂膜が作り出せません。

また、汗に含まれる乳酸やアミノ酸があるからこそ肌は弱酸性を保てます。

汗をかく習慣がない人や、エアコンの効いた部屋で過ごす時間が長い人は、汗腺の機能が落ちている可能性も…。普段から運動や入浴で汗をかき、弱酸性のしっかりとした皮脂膜が作れる準備を整えておきましょう。

防腐剤をさける

パラベンに代表されるような防腐剤は、様々な化粧品に使われています。

防腐剤は、化粧品の容器の中で細菌が繁殖しないように防ぐためのもの。そのため肌に湿布すると、皮膚の常在菌の増殖力を弱めてしまいます。

善玉菌を増やすためには、防腐剤の極力少ないもの、もしくは防腐剤フリーの化粧品を使うことが理想です。

肌断食の日を作る

皮膚の常在菌を育てるなら、肌断食がおすすめ。

週末肌断食は休日だけをノーメイクで過ごすスキンケア法。ノーメイクならクレンジングや洗顔料を使わずぬるま湯洗顔だけで汚れが落とせます。

洗顔後は、化粧水などを使わず皮脂膜が再生されるのを待ちましょう。

皮脂膜に守られていない肌は水分が蒸発している状態のため、つっぱった感じがしますが、健康な肌なら15分ほどで弱酸性の皮脂膜ができあがり、つっぱり感も解消されます。

これにより、肌を自力で弱酸性に戻す「アルカリ中和能」の力が育ちます。

このように、善玉菌を増やしておけば、悪玉菌の繁殖が防げます。育菌スキンケアを取り入れて、善玉菌ゼロの理想の肌フローラを目指しましょう！

肌フローラ最新事情

肌フローラが注目を集める今、常在菌に着目した商品が次々と発売されています。その中でも、特に人気のある商品をご紹介します。

肌フローラ検査キット

S-KIN お肌バランスチェックキット

自分の肌にいる常在菌が、どんなバランスになっているのか気になりますよね？

「S-KINお肌バランスチェックキット」を使えば、肌フローラをグラフで確認できます。

キットに付属している綿棒で、顔の常在菌を採取。それを返信用封筒に入れて郵送すれば、分析結果が戻ってきます。結果を元にしたアドバイスシートも同封されています！

美肌菌バンク

美肌フローラ

　

自分の美肌菌を培養し肌に戻す、完全オーダーメイドのスキンケア。

個人の美肌菌（＝善玉菌）を保管する「美肌菌バンク」は、採取した美容菌を－80℃の超低温庫で凍結保管し仮死状態に。

預けている美肌菌を使用する際は、仮死状態のままフリーズドライにされた「美肌フローラ」が送られてきます。水分と一緒に肌に湿布することで美肌菌が目覚め、活性化。肌に戻した美肌菌が繁殖し、理想の肌フローラを作ります。

保存料金や採取費用など含め、総額50万円超という高額にも関わらず、予約が殺到しているそうです。

美肌菌を育てる化粧品

肌フローラの状態は、ちょっとしたことで変化します。そのため、日頃から気にかけておくことが大切。

育菌スキンケアができる化粧品なら、善玉菌を増やすサポートが毎日手軽にできます。

La・peel＋スムースクリアエッセンス

「La・peel＋スムースクリアエッセンス」は、肌バランスを整え、健康的な肌つくりをサポートするエイジングケア導入美容液。

肌の善玉常在菌を増やし、悪玉常在菌が繁殖するのを防ぐグリカンオリゴサッカリドを配合することで、肌バランスを整えてくれます。

なんと言っても、いつものスキンケアにプラスαするだけ！という取り入れやすいパターンの美容液なので、おすすめです。

HANAオーガニック

「HANAオーガニック」は自分の肌の力を育てることをコンセプトにした化粧品。育菌に禁物の合成界面活性剤など、化学成分は一切不使用、自然の力を活かしたオーガニックコスメです。

クレイ洗顔料、化粧水、乳液に、善玉菌だけが好んで食べる成分「バイオエコリア」を配合。善玉菌にエサを与えることで繁殖を促し、肌フローラを整えます。

ヒューマンフローラ

「ヒューマンフローラ」の整菌スキンケアは、皮膚の善玉菌を増やすことを目的に作られたスキンケアです。

洗顔料からローション、オイルまですべてに「善玉菌活性因子」を配合。洗顔の段階から善玉菌活性因子を肌に補充し、悪玉菌よりも先に、善玉菌が増えるように働きかけます。

本来、育菌のためには洗いすぎはNGなのですが、整菌スキンケアは洗顔しながら育菌を行っているので、何度洗ってもOK！　夏など、洗顔ですっきりしたい季節には特におすすめです！

まとめ

肌フローラを整えるためには、善玉菌（＝美肌菌）を育てることが大切です。

肌トラブルを感じたときほど、善玉菌の繁殖しやすい環境を作るよう心がけてください。

肌フローラを整えることは、本来の肌の力を取り戻すこと！育菌スキンケアで、トラブル知らずの肌を手に入れましょう！