アレルギーが原因の肌荒れに対するスキンケアとは?商品の選び方と使い方を徹底解説

アレルギーが原因の肌荒れに対するスキンケアとは?商品の選び方と使い方を徹底解説していきます。

現在、日本人の2人に1人は何らかのアレルギーを持っていると言われています。花粉症やダニ、食品などアレルギーの原因はさまざまあり、その症状の一つに「肌荒れ」が挙げられます。

アレルギーが原因で肌荒れしてしまった時は、普段のスキンケアは一旦中断し、敏感肌に合わせたお手入れをしなければいけません。

本ページでは、アレルギーに起因する肌荒れ対処や、アレルギー症状に効果的な化粧品の成分などを紹介していきます。

花粉症などのアレルギーが起きる原因とは?

花粉症などのアレルギーが起きる原因とは?画像は花粉の飛散状況。

アレルギーとは、特定の物質に対して体が過剰に反応することを言います。もともとはウイルスや細菌が体内に侵入するのを防ぐための防衛反応ですが、人によって反応する物質が異なり、アレルギーが全くないという人もいます。

アレルギーによる肌荒れを改善するため、まずはアレルギーが起きる原因を詳しく見ていきましょう。

アレルギーは身体を守る反応のひとつ

アレルギーとは、簡単に言うと外敵から身体を守るための自己防衛システムが誤作動を起こした状態のことです。

人間の身体には、免疫機能において重要な役割を果たす「マスト細胞」と呼ばれる細胞が存在します。体内で炎症が起きた時、病原菌から身を守ってくれるのがマスト細胞です。

本来、花粉も食品も人体には害のない物質ですが、何らかの理由でマスト細胞がこれらの物質に過剰に反応してしまうことがあります。この時、マスト細胞の表面に「IgE抗体」と呼ばれるたんぱく質が生成されるのですが、このIgE抗体こそがアレルギー症状を引き起こす原因となるのです。

IgE抗体は、皮膚や粘膜に多くあるマスト細胞の表面に、まるでアンテナのように張りめぐらされています。再びアレルゲンが侵入してきて、このIgE抗体のアンテナにひっかかり結合したとき、マスト細胞の中につまっているヒスタミンなどの化学物質が一気に放出されて、かゆみなどの症状があらわれてくるのです。
引用元:アレルギーってなあに?

アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)は人それぞれで、発症する年齢や症状も大きく異なります。アレルギーの遺伝子を持っていても、体質や育った環境によって全く症状が出ない人というもいます。

多くのアレルギーは、一度発症すると完治するのは難しいと言われています。一方で、アレルギーの性質を正しく理解していれば、症状を最小限に抑えることも可能です。

アレルギーによる肌荒れを改善するには、アレルゲンとの接触を避けることと、症状が現れた時に適切な治療やスキンケアを行なうことが大切です。

アレルギーを引き起こすアレルゲン

アレルギーを引き起こすアレルゲン

アレルギーの原因物質はさまざまですが、体内への侵入経路によって大きく3種類に分類されます。

アレルゲンの種類
吸入性アレルゲン室内ほこり、カビ、ダニ、畳、ソバガラ、ペットの毛、衣服、寝具(綿、絹、羊毛、羽毛)、建材に使用される化学物質(ホルムアルデヒド、VOCなど)
花粉ブタクサ、カナムグラ、スギ、アカマツ、ススキ、ヒメガマなど
カビアルテルナリア、ペニシリウム、カンジダ、クラドシポリウム、アスペルギルスなど
食物性アレルゲン卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに、大豆、いか、いくら、鮭、さば、牛肉、鶏肉、豚肉、くるみ、やまいも、オレンジ、キウイフルーツ、もも、りんご、バナナ、ゼラチン、あわび、まつたけ、ごま、カシューナッツなど
接触性アレルゲン化粧品、塗料、衣服、金属、うるし、ラテックス(ゴム)、寝具類、ヨード、洗剤
(出典:『アトピー・アレルギー克服応援ブック』

食物性アレルゲンは、経口以外に粉末や液体が飛散したものを吸い込んだり、直接肌に触れることでも症状が現れます。また、複数のアレルゲンが原因となってアレルギーが重症化しているケースもあるようです。

ちなみに、かゆみや湿疹を繰り返すアトピー性皮膚炎も、何らかのアレルゲンが原因となって起きる皮膚病です。ただ、アレルゲン以外にも生活習慣やストレス、遺伝などさまざまな要因が重なっていることが多く、検査をしても原因の特定に至らないことも珍しくありません。

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アレルギーの症状はさまざま

アレルギーの症状はさまざまですが、女性はくしゃみをしているところ。

冒頭でもお伝えしましたが、日本人の2人に1人は何らかのアレルギーを持っています。

厚生労働省は、国内人口の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患(りかん)していて、さらに増加傾向にあるとみているそうです。

アレルギー疾患には、花粉症・アトピー性皮膚炎・気管支ぜんそく・アレルギー性鼻炎・アレルギー結膜炎などがあり、その種類や罹患者によってそれぞれ症状も異なります。

花粉症の場合、鼻の粘膜に花粉が付着することでIgE抗体が反応します。この時、くしゃみや鼻水によって異物(花粉)を外に出そうとします。

気管支ぜんそくは、ダニやハウスダストが原因となり、咳や息苦しさなど呼吸器系の症状が現れます。呼吸器症状は食物アレルギーにも当てはまりますが、人によって口の中がかゆくなったりじんましんなどの皮膚症状が出るケースもあります。

花粉症の時期になると、肌が赤くなったり化粧品がしみやすくなるという人も多いと思いますが、これもアレルギー症状の一つ。とくに、敏感肌の人は肌のバリア機能が低下しやすいため、アレルギーによって皮膚症状が出やすくなるのです。

花粉症などのアレルギーによる敏感肌や肌荒れの症状と原因とは?

アレルギーにはさまざまな種類があり、それぞれ症状が異なることがわかりました。その中で、赤みやかゆみなどの皮膚症状が起こるのは一体なぜでしょうか?

ここからは、アレルギーが肌荒れを起こす原因となる理由を詳しく見ていきましょう。

アレルギーによる敏感肌や肌荒れなどの主な症状

    アレルギーによる肌荒れ症状には以下のものがあります。
  • 赤み
  • かゆみ
  • 乾燥
  • かぶれ
  • ヒリヒリとした痛み
  • 湿疹
  • 水ぶくれ

アレルギーは、アレルゲンが体内に入り込んでから15~30分程度で症状が出るものがほとんどですが、中には症状が出るまでに1日以上かかるものもあります。アレルゲンが体外に排出されるか、投薬によって症状を緩和するのが一般的な治療方法です。

重度のアトピー性皮膚炎の場合、肌がジュクジュクしたり、ひっかくと液体が出ることもあります。再発を繰り返しなかなか治らないのも特徴です。

アレルギーで敏感肌や肌荒れが起こる原因

アレルギーによる肌荒れは、肌のバリア機能が大きく関係しています。

例えば、アトピー性皮膚炎の人は生まれつき肌が乾燥しやすく、体調や環境の変化によってアトピー症状が強く出ることがあります。肌の水分量が少ないということは、つまり外的刺激から肌を保護するバリア機能が弱いということです。

バリア機能が低下している肌は、化粧品の成分や衣類の刺激など、ほんの些細な刺激もダメージととらえてしまいます。

さらに、アレルゲン自体がバリア機能を低下させるものもあります。多くの日本人を悩ませるスギ花粉は、バリア機能の働きを弱めてしまうアレルゲンの代表的な一例です。

資生堂は、スギ花粉に含まれる抗原タンパク質「Cry j1」が肌のバリア機能を低下させることを発見しました。これまで、「Cry j1」が目や鼻のアレルギー症状を引き起こすことは知られていましたが、皮膚表皮細胞への作用を科学的に実証したのは初めてです。
引用元:資生堂、スギ花粉が肌のバリア機能を低下させることを発見

肌のバリア機能が低下すると、アレルゲンや細菌が体に侵入しやすくなります。言い換えると、アレルギーによって肌トラブルが起きやすい時は、肌のバリア機能が弱まっているということです。

アレルギーによる肌荒れを改善するには、適切なスキンケアや生活習慣の見直しをすることが大切です。

ただの肌荒れとアレルギーによる肌荒れの見分け方

ただの肌荒れとアレルギーによる肌荒れの見分け方として、首元のかゆみがある場合はアレルギーなどが多いそうです。

どんな肌荒れも、その原因を特定することが症状改善への第一歩です。ただ、普通の肌荒れとアレルギーが原因の肌荒れは症状がよく似ていますので、誤ったスキンケアで症状を悪化させてしまうケースも少なくありません。

肌荒れの原因を特定するため、まずは以下の表を確認してみましょう。

 普通の肌荒れアレルギーが原因の肌荒れ
症状が出やすい部位主に頰周辺目元や首など。重症化すると全身に広がることがあり、手足の関節や背中に出ることがある
症状赤み、かゆみ、ヒリヒリ感など赤み、かゆみ、湿疹、ゴワつき、色素沈着など。眠れないほど強烈なかゆみを伴うこともある

普通の肌荒れは顔に症状が出ることがほとんどです。全身の中でも皮膚が薄い顔は赤みやかゆみが出やすく、肌のバリア機能が低下している時は化粧品がしみることあります。

一方で、アレルゲンが顔だけに反応するということはありませんので、顔と体どちらにも症状が出ている場合はアレルギーによる肌荒れの可能性が高いです。

アレルギーが原因の敏感肌や肌荒れには正しい洗顔とスキンケアが大切

アレルギーによる敏感肌や肌荒れは、スキンケアを見直すことで症状を軽減することができます。以下の手順を参考にしながら、肌に負担をかけないスキンケア方法を身につけましょう。

洗いすぎやこすりすぎに注意する

アレルギー肌荒れしないようにするためには洗いすぎやこすりすぎに注意することが大事です。

デリケートな肌にとって、摩擦は肌にもっとも負担を与える行為です。クレンジングや洗顔で汚れを丁寧に落とそうとするあまり、ゴシゴシと力を加えて洗うのは肌荒れ改善には逆効果となります。

クレンジング剤は肌になじませるように、洗顔は泡を転がすようにして行いましょう。すすぎの際は水温を32℃を保ち、クレンジング剤や泡が残らないように丁寧にすすいで下さい。

洗顔後にタオルでゴシゴシ拭き取るのもNGです。摩擦は肌へ負担をかけるだけでなく、ダメージが積み重なることで黒ずみや色素沈着の原因にもつながります。タオルを上下に動かすのではなく、水滴を吸い取るようにして優しく拭き取りましょう。

何よりも保湿が重要

スキンケアの基本は保湿です。とくに、肌のバリア機能が弱くなっている時は肌にたっぷりと潤いを与え、アレルゲンの侵入や外的刺激に備えることが大切です。

洗顔後は肌の水分が一気に蒸発するので、できるだけ早く保湿を行いましょう。温めるようにして顔全体に広げたら、ハンドプレスをして肌になじませていきます。手のひらに肌がピタッと吸いつくような感覚があれば、化粧水が肌に浸透したサインです。

敏感肌や乾燥肌の人は、化粧水を重ね付けするのもオススメです。頬や目元はとくに乾燥しやすい部位なので、念入りに保湿ケアを行って下さいね。

抵抗力の弱い肌を保護する

抵抗力の弱い肌を保護するために美容シートマスクを使っているところ。

化粧水で肌に潤いを与えたら、次は美容液や乳液で水分を逃さないようしっかり蓋をしましょう。

時々、ベタつきを理由にスキンケアは化粧水のみという人がいますが、残念ながら化粧水だけでは肌に潤いを閉じ込めておくことはできません。水分が蒸発しないように、乳液やクリームを使って抵抗力が弱くなった肌を保護することが大切です。

より高い保湿力を求める人は、美容液パックを取り入れるのも効果的です。乾燥しやすい季節や肌状態が不安定になってしまった時は、普段のお手入れにスペシャルケアを積極的に取り入れましょう。

スキンケアは「洗う・潤す・蓋をする」の3つのステップで1セットです。どんなに高い化粧品を使っても、どれか一つでも欠けるだけでその効果は半減してしまいます。スキンケアの順番を正しく理解し、どのステップも一つひとつ丁寧に行って下さい。

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敏感肌や肌荒れ中におすすめの有効成分とは?

敏感肌や肌荒れに悩んでいる人は、スキンケア方法だけでなく化粧品の成分にもこだわりましょう。ここからは、肌のバリア機能を高めてくれる成分や、炎症を起こしている時に効果的な鎮静成分を紹介していきます。

保湿成分配合のもの

アレルゲンや外的刺激に負けない強い肌を作るには、保湿効果の高い成分を取り入れることが大切です。数ある美容成分の中でも、とくに保水力に優れているのがヒアルロン酸です。

ヒアルロン酸は、たった1gで6Lもの水分を保持できます。人間の体にもともと備わっているものなので安全性が高く、肌なじみも抜群です。化粧品の成分表には「ヒアルロン酸ナトリウム」と表記される場合もあります。

ヒアルロン酸は、安定性・安全性の高い高分子の保湿成分。通常化粧品にはヒアルロン酸ナトリウムという形で配合されています。水に溶けやすく、高い保湿力を持っている上に、油分とは違うしっとりとした質感を引き出すことができます。肌なじみが良く、角質層の水分量を高めながら、しっとり感やなめらか感を感じさせる保護膜をつくってくれるので、美容液などに多く使用され、今や化粧品をつくる上でなくてはならない存在です。
引用元:ヒアルロン酸Naとは

敏感肌や肌荒れを改善するには、ヒアルロン酸が配合された化粧品で肌にたっぷりと潤いを与えましょう。

肌のバリア機能を高めるもの

アレルギーによる肌荒れを改善するには、肌のバリア機能を高める成分が必要不可欠です。保湿力が高く、外的刺激から肌を保護してくれるセラミドは、敏感肌や肌荒れの悩みを抱える人の心強い味方です。

肌の角質層は大きく分けて3つに分けられ、肌の表面から表皮・真皮・皮下組織の順に重なっています。セラミドはこの中の表皮に存在し、アレルゲンや細菌の侵入を防いでくれます。

また、水と脂どちらともなじむことができるのもセラミドの特徴です。潤いを蓄えつつ、水分が蒸発しないようにフタの役割も担うので、セラミドは肌のバリア機能強化には欠かせない成分なのです。

角層細胞の間でセラミドは、それぞれ水をつかまえながら、その一方側で脂と仲よくつながって、一定の方向を向きながら整列。水分の層とセラミドの層が交互にでき、積み重なって層状の構造をつくりあげます。これが「ラメラ構造」。きれいにラメラ構造が整っていることで、水分がしっかり抱えられ乾燥状態でも蒸発することなく、潤いに満ちた健やかな肌が保たれるのです。また、ラメラ構造が作られることで、外部からの刺激に対するバリア機能を発揮します。
引用元:セラミドのおはなし

アレルギーを完治させるのは難しくても、肌のバリア機能を強化し、症状を最小限に抑えることは可能です。刺激に負けない強い肌を目指す人は、セラミドが配合された化粧品を使って、バリア機能を高めるスキンケアを行いましょう。

鎮静作用があるもの

鎮静作用があるものも肌荒れを防ぐために必須です。ラベンダーエキスには鎮静効果があります。

どんなに気をつけていても、ちょっとした隙に体内に侵入してしまうアレルゲン。予防しきれずアレルギー症状が出てしまった時は、鎮静作用のある化粧品で症状を抑えるスキンケアを心がけて下さい。

化粧品に使用される成分の中で、抗アレルギー作用や抗炎症作用が期待できるのがカモミールエキスです。肌荒れや敏感肌はもちろん、美白ケアや乾燥対策にも大きな効果を発揮します。化粧品によって「カミツレエキス」と表記されることがあるようです。

肌のかゆみやほてりを抑えるには、ラベンダーエキスも効果的です。天然成分なので肌への負担も少なく、小さな子供でも安心して使えるのが嬉しいポイントです。

花粉症などで肌荒れしやすい時期は、精神的にもイライラや不安を感じることが多いと思います。ラベンダーエキスには心をリラックスさせる効果もあるので、肌のお手入れと心の癒しを求める人にオススメしたい有効成分です。

保護作用があるもの

時にはワセリンなどの保護作用があるもので保護することも大切です。

花粉症による肌トラブルが多い人は、ワセリンの力を借りて肌をしっかりとガードしましょう。

ワセリンの性質上、成分が肌に浸透したり、肌に水分を与えるものではありません。その代わり、肌に付着したアレルゲンや汚染物質から肌を保護し、体内に侵入するのを防ぐ働きがあります。空気中に飛散する花粉やハウスダストから肌を守るには、ワセリンの力が欠かせないのです。

ワセリンの原料が石油ということもあり、肌への影響を懸念する人も多いですが、過度な心配は不要です。というのも、そもそも石油自体が天然成分であり、精製する過程で不純物を取り除いているからです。

ワセリンは皮膚疾患の治療に用いられることも多いので、非常に安全性の高い成分だと理解して問題ありません。

ラフィス ADリッチクリームは、「かゆみの原因となる黄色ブドウ球菌にのみアプローチする」⇒ 抗体入りダチョウ黄卵エキスが配合された守りのスキンケア。

アレルギーによる敏感肌や肌荒れが悪化する成分とは?

前項ではアレルギーによる敏感肌にオススメの成分を紹介しましたが、肌状態を悪化させ、悪影響を与える成分も多く存在します。

ここからは、アレルギー体質の人が注意すべき成分を紹介していきます。

アルコール

化粧品に使用されるアルコールとは、一般的にエタノール(エチルアルコール)のことを指します。アルコールは、防腐剤としての役割や肌の引き締め効果が期待できますが、アレルギーが原因の肌荒れにはかえって負担になってしまうことがあります。

揮発性の高いアルコールは、肌につけると瞬時に蒸発し始め、皮膚の熱を奪います。肌につけるとスーッとした爽快感が残る化粧品がありますが、これは配合されているアルコールの性質によるものです。

この爽快感は油性肌やニキビ肌の人にとっては気持ちのいいものですが、アレルギーによる敏感肌の人にとっては刺激が強すぎます。普通に過ごしていても肌がヒリヒリしたりかゆみを感じるような時は、アルコール配合の化粧品を使うのは避けて下さい。

合成界面活性剤

「合成界面活性剤」というキーワードは、美容や健康意識の高い人なら一度は聞いたことがあるかと思います。体に良くないものというイメージが強いですが、どのような性質で、どんなものに配合されているかを正しく理解している人は少ないかも知れません。

合成界面活性剤とは、水と油などの本来混じり合うことのない異なる物質を人工的に合成させたものです。化粧品以外に、家庭用洗剤やシャンプー、食品にも配合されていて、私たちの生活のいたるところに存在しています。

合成界面活性剤は2000~3000もの種類があると言われていますが、この全てが肌に悪いわけではありません。安全性が高いものであれは、アレルギー性の敏感肌でも問題なく使うことができます。

肌への負担が大きい合成界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウムやラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩などがあります。この中でとくに注意したいのがラウリル硫酸ナトリウムです。

ラウリル硫酸ナトリウムは分子が小さく、肌への浸透力がとても高いのが特徴。洗浄力が高く原料も安価なので、プチプラコスメや外国の化粧品に配合されることも多いです。

アレルギーによって肌荒れを起こしやすい人は、今使っている化粧品に上記の合成界面活性剤が配合されていないかどうかをチェックしてみて下さいね。

合成ポリマー

シリコンシャンプー・プラスチック・食品用ラップ・紙オムツなど、これらに共通して含まれるのが合成ポリマーです。ツヤ出しやコーティングを目的として使用されることが多く、化粧水や乳液、美容液にも合成ポリマーが配合されていることがあります。

合成ポリマーが化粧品に配合されるのは、肌にツヤを与えたり、しっとりとした肌ざわりを長持ちさせる効果があるからです。ただ、合成ポリマーには良くも悪くも落ちにくいという性質があるので、洗浄力が強いクレンジング でなければ完全に落とすことはできません。

合成ポリマーによって常に肌がコーティングされた状態が続くと、肌は自ら保湿する力を失ってしまいます。それ自体に毒性はありませんが、長い目で見ると肌を必要以上に甘やかしてしまうことになり、乾燥肌を悪化させてしまう恐れがあるのです。

合成ポリマーにはさまざまな種類があり、化粧品に配合されることの多いものにカルボマーやジメチコン、シロキサンなどがあります。合成ポリマーが配合されているから肌に悪いということではなく、アレルギー体質の人はリスク回避のために使用を控えた方がいいでしょう。

タール色素

タール色素は、口紅やチークなどの色味のある化粧品に使われることが多い合成着色料です。化粧品向けのものと食品に使用できるものとで種類が異なり、日本国内で化粧品への使用が許可されているのは全部で83品目あります。

タール色素の使用で懸念されるのは、アレルギーを引き起こす可能性があることや、発がん性が疑われるものがあることです。人体への影響はさまざまな試験によって確認済みですが、気になるのは、試験を実施する国によってその結果が大きく異なるということ。

例えば、日本で使用が認められている「赤色2号」というタール色素は、アメリカやカナダではアレルギーを引き起こす可能性があるとして使用が禁じられています。

同じく「黄色4号」というタール色素も日本では使用が認められていますが、ヨーロッパでは自主規制の対象です。アレルギー症状を引き起こす可能性があるので、花粉症やアトピー体質の人はとくに注意が必要です。

国産だから安心と思っていても、海外では使用が禁止されている成分が配合されているというのはよくある話です。単なる着色料と軽く考えず、一つひとつの成分に着目して肌への負担を軽減していきましょう。

香料

香料とは、その名の通り化粧品に香りをつけるためのもので、植物から抽出される天然香料と、化学的に合成されて作られた合成香料に分けられます。

タール色素と同じく、香料も国によって規制レベルが大きく異なります。とくに、化粧品の成分に厳しいヨーロッパでは、発がん性やアレルギーを引き起こす可能性があるものにはラベル表示が義務付けられているようです。

日本では、厚生労働省が香料の使用に関して次のように説明しています。

香料に関しては、実際にアレルギー疾患を引き起こしたという知見が乏しいため、現時点では特定原材料等に関する表示を必須とはしていません。しかしながら、アレルギー症状はごく微量でも引き起こされる場合があることを考慮すると、今後さらに調査・検討が必要です。
引用元:アレルギー物質を含む食品に関する表示Q&A

香料がアレルギーの原因となった症例はほとんどないと説明した上で、多少の可能性があるうちは調査を継続するという方針のようです。アレルギー体質の人は肌がとてもデリケートですから、トラブルの原因となりうるものは使用を避けるのが賢明です。

スキンケア以外でできる花粉症などのアレルギー対策

花粉症やアトピー性皮膚炎などは、一度発症すると完治するのは難しいと言われています。薬で症状を抑えることはできても、アレルゲンそのものが根絶しない限りつらい症状はいつまでも続いてしまいます。

アレルギーと上手に付き合っていくためには、規則正しい生活を送り、体の免疫力をアップさせることが大切です。最後は、スキンケア以外で今すぐにできるアレルギー対策を紹介していきます。

免疫力の向上

免疫力の向上に良いとされているヨーグルトや納豆などの発酵食品。

アレルギーに負けない強い体を作るため、まずは食生活と睡眠時間などの生活習慣を見直しましょう。

栄養バランスのいい食事は、免疫力を向上させるだけでなくアレルギー症状を和らげる効果が期待できます。中でも、納豆やヨーグルトなどの発酵食品は、免疫細胞が多く存在する腸内環境を整えてくれるのでオススメです。

免疫力を高めるには睡眠時間も重要です。寝不足によって自律神経の働きが乱れると、体が疲れやすくなり免疫力も低下します。「寝不足は美肌の天敵」という言葉もあるくらいですから、肌をいたわるには質のいい睡眠が欠かせません。

規則正しい生活はストレス緩和につながり、ストレスが軽減されれば肌状態も安定します。一回一回の食事を大切にし、寝不足になることがないよう睡眠時間をしっかりと確保することが大切です。

血流を良くする

血流を良くすることもアレルギーにおける肌荒れを和らげる方法の一つです。

冷えやむくみ、肩こりなどの原因となる血行不良は、アレルギー症状にも大きく関係しています。

血の巡りが悪くなると、肌のターンオーバーが乱れ、乾燥や吹き出物などの肌トラブルが起きやすくなります。アレルギー体質の人は、そうでない人に比べて肌のバリア機能が弱い傾向にありますから、肌荒れ症状が強く出てしまうのです。

血行を良くするための手っ取り早い方法は入浴です。40℃前後のお湯にゆっくり遣って体を芯から温めてあげましょう。血行改善には基礎代謝を上げることも効果的なので、日頃から適度に運動することも意識しましょう。

炎症を起こさない

アレルギーが原因の肌荒れに対するスキンケアとは?商品の選び方と使い方を徹底解説。花粉アレルギーの場合、マスク・メガネなどで軽減できることになります。

アレルゲンが体内に侵入しなければ、アレルギー反応によって炎症が起きることはありません。アレルゲンを特定できている人は、まずはそれを徹底的に除去することに努めましょう。

花粉症の人であれば、マスクや帽子、メガネを活用して花粉が皮膚に付着するのを防ぎます。環境省や気象協会は一週間先までの花粉飛散量を発表しているので、お出かけ予定の参考にするのがオススメです。

衣類や金属、洗剤などの接触性アレルゲンは、使用前に素材を確認したり、手袋をはくなどして肌に直接触れるのを防ぎましょう。

アレルギーに負けない強く美しい肌を手に入れよう

花粉や食品、ハウスダストなど、アレルゲンとなりうる物質はさまざまです。敏感肌や肌荒れは数あるアレルギー症状の一つですが、スキンケア方法や生活習慣を見直すことで症状を最小限に抑えることができます。

本ページで紹介した化粧品選びやスキンケア方法を参考に、アレルギーに負けない強くて美しく美肌を手に入れて下さい。

敏感肌スキンケアランキングでは、デリケートな肌でも使える敏感肌用スキンケアのお試しセットをまとめてみました。3日~1週間程度使えるセット内容になっているので、じっくり試せるのでおすすめです。

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