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意外と知らない!?大手コスメメーカーの「覆面ブランド」一覧
デパートのコスメ売り場でも、はたまたドラッグストアでも、いろんなブランドのコスメが売られていますよね。しかし日本にあるコスメブランドは、その多くが大手メーカーによって作られているって知っていますか?
どうしてそんなことをしているのかというと、主な理由はマーケティング上の戦略です。たとえば資生堂にしてもカネボウ化粧品にしても、ある一定のイメージが定着していますよね。
「その会社のイメージ抜きのほうが新たな顧客がつかめる」と判断された場合は、覆面ブランドとして独自に作られることになるのです。
そこで今回は、コスメブランドの噂話&ウラ話をお話ししましょう。ただし、あくまで噂に過ぎないネタもあるので、そのあたりはご注意を!
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「資生堂」系列のブランド
世界トップレベルの開発力を背景に多彩なブランドを展開
資生堂はいってみれば日本最大のコスメブランド。技術開発力でもマーケティング力でも世界トップレベルの会社です。
「資生堂」もしくは「資生堂インターナショナル」として売り出しているブランドも数多いですが、それはパッケージを見ればわかるので、ここでは割愛しましょう。
でも、パッケージに「資生堂」という名前がまったくついていなくても実は資生堂の覆面ブランド、という場合がけっこうあります。
ちなみに後述のKOSEの覆面ブランドは「アウトオブコーセー」と表現することが多いのですが、資生堂は「ノンエス」または「アウトオブ資生堂」と呼ばれているようです。
・IPSA(イプサ)
・クレ・ド・ポー ボーテ
・ナーズ(NARS)
・ローラメルシェ
・エテュセ
・ディシラ(dicila)
・草花木果(そうかもっか)
と、よく知られているブランドだけでもこれだけあります。
「資生堂」の商品がドラッグストアでも売られていて、あらゆる世代向けのブランドを数多く擁しているのに対し、「イプサ」は百貨店専門の単独ブランド。どちらかというと若い世代をターゲットにしたブランドです。
百貨店でも街のドラッグストアでも購入できるクレ・ド・ポー ボーテも資生堂ブランド。レオスールデクラは、フェイスパウダー分類なのですが、インスタなどのSNSでツヤ肌作りのハイライターとしての使い方も認知されています。
1994年ニューヨーク生まれのNARS、2000年に資生堂が買収したことにより、資生堂ジャパン株式会社の一員に。
ブラッシュや、ラディアントクリーミーコンシーラーなどは、@コスメのベストコスメに何度も選ばれている実力派コスメです。
「草花木果(キナリ)」は、手ごろな価格の通販コスメが台頭するようになった2000年の初めに作られました。また、エテュセは、主に10代~20代前半の若い世代向けのプチプラコスメ、つまり超お手頃価格のコスメとして知られています。
ついでいうなら、ミネラルファンデーションで話題になった「ベアミネラル(ベアエッセンシャル)」、温泉水を使ったアイテムで人気の「アベンヌ(ピエール・ファーブル・ジャポン)」も資生堂系列といわれています。
ちなみに、和漢植物エキスを使ったケアで大人気の「アユーラ(アユーララボラトリーズ)」も、もとは資生堂の覆面ブランドでした。…が、2015年、他社に売却されています。
直営店というのが存在しないため、東京近辺にある複数のロフトでしか販売していない「草花木果(キナリ)」は、ほぼ通販専用コスメ。送料・税込み1000円で販売しているお試しセットは必見です。
「コーセー」系列のブランド
「アルビオン」も、コーセーが作った会社だった!
あの「コスメデコルテ」がコーセーのブランドというのは有名ですが、コーセーが作った、もしくは買収したブランドや会社はほかにもいくつかあります。代表的なものを紹介しますね。
・フイルナチュラント
・JILLSTUART(ジルスチュアート)
・DECORTE(コスメデコルテ)
・ADDICTION(アディクション)
・TARTE(タルト)
・AWAKE(アウェイク)
・ALBION(アルビオン)
「フイルナチュラント」は有名な女性皮膚科医が作ったドクターズコスメでしたが、2002年にコーセーが買収。
また、「ジルスチュアート」は、もともとはアメリカで人気のファッションブランド。2005年にコーセーが日本での香水・化粧品のライセンスを取得し、現在に至っています。
1970年に誕生したコスメデコルテは、コーセーの中でも高級なブランドというランク付けで販売が始まりました。
2000年にコスメデコルテ30周年を記念して10万円で販売されたAQラインのクリームは、現在でも「コスメデコルテ AQ ミリオリティ インテンシブ クリーム(12万円)」として販売されています。
「もはや、ボーテ ド コーセーのリニューアルといった中途半端なことではなく、名前を変えるくらいの考えで、エッジを効かせたメーキャップブランドを作るべきではないか」という社長の決断により生まれたアディクション(中毒って意味らしい)。
発売開始にあたって、メーキャップアーティストのAYAKO氏さん監修のもとに作られた『ザ アイシャドウ』はなんと99色!完全にメイク中毒(メイクマニア)の部類ですね。
グルテンを使用していないことで有名な自然派メイクブランドのタルト(TARTE)を2014年に買収しています。カラー展開も豊富なブランドではあるのですが、2019年現在、日本では未発売となっています。
ただ、皆さんがいちばんびっくりするのは、「アルビオン」の名前があることかもしれませんね。そう、実はアルビオンはコーセーが作った会社。現在もアルビオンはコーセーのグループ会社のひとつです。
といっても、ここ最近そうなったわけではもちろんなく、アルビオンがコーセーによって設立されたのは終戦から10年ほどたった1956年のこと。創業者はコーセーの創業者一族である小林氏とつながりがある小林英夫氏。おそらく本社の命を受けて創業したのでしょう。
また、もともとコーセーは「乳液先行」のケアを推奨していましたが、世の中の流れとして「化粧水先行」が一般的になってきたため、本社は「化粧水先行」に切り替えて、新たに別の「乳液先行専用の化粧品会社」を作ろうとしたのではないか、という説もあります。
さらに…話がさらにややこしいのですが、コーセーから派生した会社であるアルビオン自体も、いくつか覆面ブランドをもっているのです。次で詳しくお話ししましょう。
KOSEは、通販限定ブランド⇒米肌(まいはだ)保湿スキンケアも展開しています。
「アルビオン」系列のブランド
ライセンス契約で「コスメ以外の会社」のコスメを作るのが得意
アルビオンの覆面ブランドは主に以下の5つ。
・IGNIS(イグニス)
・Elegance(エレガンス)
・Paul & JOE(ポール&ジョー)
・ANNA SUI(アナ スイ)
・レ・メルヴェイユーズ ラデュレ
見てわかるように、「ポール&ジョー」や「アナ スイ」など、もとは洋服などコスメ以外の人気ブランドから派生したものが多いですよね。
といっても、クリスチャン・ディオールやシャネルなど海外コスメブランドが独自に洋服のメゾンブランドから発達していったのとは、形態が全く違います。
これらはアルビオン、つまりコーセーが日本でのライセンス契約を結び、商品の開発から販売を行っている…というものです。
惜しまれつつ2014年に販売終了してしまいましたが、ベースメイクアイテムが人気だった「ソニアリキエルボーテ」も、もともとはアルビオンとパリのファッションブランド、ソニアリキエル社とのライセンス契約によるブランドでした。
イグニスは、若い女性に人気のあるブランドですが、アルビオンが作った覆面ブランド。さすがにアルビオン系列らしく「乳液先行」を提唱しているのが特徴です。
ただ、アルビオンがどちらかというとシンプル&大人っぽいイメージで売られているのとは違って、ハーバル系、つまり自然でよりナチュラルなテイストのブランドになっています。
「花王」系列のブランド
カネボウ化粧品の買収で少し複雑になったかも…?
ここで取り上げるのは「花王」ですが、ちょっと話が複雑です。まずは「カネボウ化粧品」のことから話しましょう。カネボウ化粧品は、花王に買収されるまでは、数多くの覆面ブランドをもっていました。
・RMK(アールエムケー)
・SUQQU(スック)
しかし2015年現在、主な「カネボウ化粧品の覆面ブランド」として確認できるのはこのふたつ。
でも実は、化粧品販売店専門ブランド「リサージ」なども、もとはカネボウ化粧品傘下の覆面ブランドとして販売されていたようなのです。ところが、どういうわけかある時期から「カネボウ化粧品」の名前を冠して販売されるようになっています。
ただここからいよいよ「花王」の話になりますが、2006年に花王がカネボウ化粧品を買収したために、話がちょっとややこしくなります。資生堂やカネボウ化粧品と違って、花王はそれまで完全な覆面ブランドをもっていませんでした。
…が、その時期を境に、ある意味「カネボウ化粧品は花王の覆面ブランド」ということになってしまったのです。とはいえ、「カネボウ化粧品の白斑被害」が発覚するまで、事業面での連携をしていたくらいで、カネボウ化粧品の自立はそこそこ保たれていました。
ところが問題がおおやけになってから、花王は研究や生産の面でも統合を進め、将来的には販売部門や人事や総務も統合すると発表しています。
となると、現在カネボウ化粧品のブランドは実にたくさんありますが、ゆくゆくは整理統合されて、「花王」の製品として販売されるようになるか、もしくはまったくの別会社の名前のもとに売られるようになることがあるかもしれません。
LUNASOL(ルナソル)
ラメが上品で◎なデパコスの定番アイシャドウであるスキンモデリングアイズを販売しているルナソルも、カネボウの覆面ブランド。
CHICCA(キッカ)
2008年より11年間の販売を経て、2019年秋に販売を終了するキッカも、カネボウ系列ブランドでした。
アマゾン、ロハコ、@コスメショッピングサイトなどでは、2020年秋頃までは、販売を予定しているようです。商品によっては在庫限りとなるようなので、3年で使い終えるものに関しては、買い置きもアリですね。
ALLIE(アリー)
日焼け止めに特化したブランド。現在ウォータープルーフマスカラを含めた16種類のアイテムを販売しています。
実は2010年には誕生していたアリー。日常のこすれ・摩擦に強く、落ちにくい『フリクションプルーフ技術』を2018年に搭載して販売したところ、人気に火がつきました。
「ポーラ」系列のブランド
自然派・敏感肌向けブランドを擁してさらに拡大中
ポーラも、系列ブランドを多く持っている会社です。よく知られているのは以下でしょう。
・ORBIS(オルビス)
・ORLANE(オルラーヌ)
・THREE(スリー)
・ジュリーク(Jurlique)
・フューチャーラボ
「ポーラ」はもともと老舗化粧品会社として戦前から発達してきた会社ですが、1984年に通販部門として「オルビス」を立ち上げ、大きく売り上げを伸ばしました。
「オルラーヌ」は、もとはフランスのコスメブランド。特に「洗わない洗顔」に使えるとしてミルククレンジングが一部の女性、特に超乾燥肌や敏感派の女性中心にロングセラーになっています。現在、オルラーヌ製品はポーラとの合弁会社によって販売されています。
さらに近年、ポーラは国産原材料やオーガニック認定材料にこだわった自然派高級ブランド、「THREE」も創設。さらにはオーストラリアの超人気オーガニックブランド「ジュリーク」を買収しています。
ポーラの敏感肌研究から生まれたディセンシア基礎化粧品。エイジング⇒アヤナス・美白⇒サエル・ボーダーレス⇒つつむの3シリーズが販売されています。
敏感肌は「老化が顔にでてしまいやすい」ことに着目して作られた、敏感肌用エイジングスキンケア。「糖化」や「たるみ毛穴・黄ぐすみ」もまるっとカバーしてくれる基礎化粧品です。
お試しできるアイテムは3点とも有効成分アルブチンの入った薬用化粧品。青ぐすみ⇒乾燥・赤ぐすみ⇒繰り返す炎症・黄ぐすみ⇒糖化などといった原因の異なる3くすみにも、まるっと対応しているサエルスキンケア。
「肌が不調すぎてなんにも使えない…」時期の敏感肌ユーザーさんをやさしくサポートするのがこのライン。完全ボーダーレスなスキンケア仕様になっており、香りつけもされていないので、老若男女問わずに使えるのも◎とは言え、お試しセットにはクレンジングがしっかり入っているので、とっても親切なブランドだと感じました。
覆面ブランドを知ればコスメの勢力図が見えてくる?
いかがでしたか?
覆面ブランドの正体を知ったからって何がどうというわけでもない…という見方もありますが、デパートのコスメ売り場でも、また違った勢力図が見えてきてちょっと面白いかもしれません。
ちなみに、「何となくこのブランドの化粧品は肌に合わないな」と思うことってありますよね。その場合は同系列のブランドのものもやっぱり肌に合わない、という可能性は決して少なくないのです。
なぜなら、同系列ブランドの製品は、同じ研究所で技術開発をされ、同じ工場で作られていることが多いから。ですから、化粧品を買い替えるときには参考にしてみるのもいいかもしれませんね。