無添加化粧品の定義とは
無添加化粧品とは一般的には2001年まで厚生省(現厚生労働省)によって表示が定められていた102種類のアレルギー成分(香料を含めると103種類)を添加していない化粧品を無添加化粧品と呼ぶことが多いようです。
無添加化粧品と聞くと化学成分が全く入っていないと思われる方もいますが、石油由来の成分や化学合成成分がまったく入っていない添加物フリーの化粧品は見つけるのが難しいでしょう。
ただし、無添加化粧品は刺激が強くてアレルギーや肌トラブルが起きるような成分を極力避けているものが多いと言えます。パラベンフリーや合成香料フリー、タール系色素フリーなど、様々な添加物フリーが謳われています。
ですから無添加化粧品を選ぶ際には自分でどんな成分がフリーなのかをチェックする必要があります。ここでは無添加化粧品を選ぶ際に気を付ける成分を紹介します。
合成界面活性剤
界面活性剤はシャンプーや化粧品などの洗う物に使われているイメージですが、実は基礎化粧品のなかにも多く含まれています。用途は泡立ちを良くする作用の他に、水溶性の液体と脂溶性の液体を混ぜ合わせる乳化剤として使われていたり、殺菌剤、防腐剤として使われているものなど、多岐にわたります。
界面活性剤に悪いイメージを持つ人は多くいると思いますが、すべての界面活性剤が肌に悪いわけではありません。現にサポニンやレシチン、グリセリンなどは天然の界面活性剤で食品にも添加されているものもあります。
界面活性剤のイメージを悪くさせているのは石油由来の合成界面活性剤ではないでしょうか。ラウリル系やアルキル系などの石油系合成界面活性剤には洗浄力の強いものや、乳化力が強いものも多く、これらは肌のバリア機能を損なって肌荒れを引き起こすケースもあります。
無添加化粧品を選ぶ際にはこれらの石油系界面活性剤が入っていないものを選ぶようにしましょう。オラクルやHANAオーガニック、琉白、マザーウッドなどは、石油系合成界面活性剤はもちろん、可能な限り化学合成成分を排除して作られているスキンケア化粧品です。
合成着色料、タール系色素
化粧品に使われている着色料の中でも、合成着色料、特にタール系色素には注意が必要です。タール系色素はアレルギーや色素沈着を起こす物が多く、旧表示指定成分の102種類のうちでも82種類がこのタール系色素なんです。
実際に赤色219号で過去に皮脂炎が起き、深刻な色素沈着が残ったケースもありました。成分表に赤色○号、青色○号と記載でされているものはタール系色素ですので、できるだけ避けたほうがよいでしょう。特に発癌性のある青色1号や赤色2号には気をつけましょう。
無添加化粧品やオーガニックコスメではクチナシやカラメル色素などから作る天然色素が使われている場合が多いです。しかし天然色素は色の持ちや、光に対する耐性が悪かったりというデメリットもありますが、肌への負担を考えるとこちらの方が良いでしょう。
合成ポリマー
合成ポリマーは付けるとサラッとした質感があり、密着性も高いことからファンデーションやウォータプルーフの日焼け止めなどに配合されていることが多い成分です。
カルボマーやジメチコン、シクロメチコンなどの合成ポリマーは石油系樹脂を合成したもので成分として非常に安定していることから化粧品によく使われています。
ポリマーについては“肌呼吸を邪魔する”といった意見や、“分子量が大きいから肌に浸透して肌内部を壊すことはない”など、賛否評論があって審議のほどは定かではありません。
しかし例え無害だったとしてもポリマーは落ちにくく、スキンケアのさいに洗浄力の強いクレンジング剤が必要になります。強いクレンジング剤は肌を乾燥させてターンオーバーのサイクルを乱したり、シワシミの原因ともなります。
合成ポリマーはできれば添加されていないものを選んだ方が、肌にストレスをあたえることなく、安全でしょう。
防腐剤
化粧品はアミノ酸や糖類などの栄養素が沢山入っている為、菌が繁殖しやすくほとんどの化粧品には防腐剤が入っています。なかでもパラベンは有名ですね。旧表示指定成分になっている成分で、その為イメージが悪く、パラベン不使用を謳っている化粧品もたくさんあります。
このパラベンの変わりに使用されている事が多いのが、フェノキシエタノールです。フェノキシエタノールはパラベンに比べれば刺激は少ないですが、同時に防腐作用も少ない為それだけ配合率を上げなくてはなりません。
無添加を謳うのであればなるべくこういった成分は入れて欲しくないですよね。でも防腐剤フリーの化粧品にはまた別の危険性があるんです。
もし、防腐剤フリー、特別な滅菌処理もしていない化粧品があったら、それは1週間で腐ってしまうでしょう。それどころか肌に刺激を与えたり、毒性を持ってしまったりして肌トラブルを起こしてしまうかもしれません。
このように考えると、菌の繁殖や酸化のリスクから守る為に防腐剤はある程度は必要でしょう。パラベンも当時に比べれば数段品質も良くなっています。心配な方は抗菌作用と保湿作用があるBGなど、低刺激で敏感肌でも安心なものを選びましょう。
殺菌剤
殺菌剤は皮膚を消毒したり、細菌などの微生物を滅菌するために配合されています。防腐剤が外部から入った菌の増殖を抑えるのに対して、殺菌剤は肌の上にある菌を殺菌するために配合されています。
そのため殺菌剤はニキビケア商品やデオドラント商品、薬用ハンドソープなどによく配合されています。
防腐剤と殺菌剤は同じ成分が使われてる場合もありますが配合量によって区別されてます。例えば安息香酸ナトリウムやイソプロピルメチルフェノールなどは添加量が少ないと防腐剤として使用されます。
同じ成分でも殺菌剤として使用すると配合率が高くなりますので当然、肌への負担も大きくなります。化粧品を購入する際には配合の少ないものを選びましょう。
香料
良い香りのする化粧品を使うとそれだけで癒されたり、気分がリフレッシュされますよね。しかし香料には石油原料で合成された合成香料もあり、スキンケア化粧品で使われている香料は多くが合成香料です。
これら合成香料はアレルギーを引き起こしたり、ホルモンの異状を誘発する可能性もあります。天然原料から作られた香料はそのような心配はありませんが、安定して供給するのが難しく、また産地や収穫時期の違いで臭いが異なるため、同じ香りを維持するのも非常に大変です。
更にスキンケア化粧品の場合、香料はただ単に“香料”とだけ記載すれば良いことになっていて、何の原料で作られた香料なのかわからないのです。そのため最近では香料フリーが謳われている無添加化粧品もたくさん見られるようになりました。
香料は必ずしも影響があるものとは言い切れませんが、アレルギー体質の方や敏感肌な方は避けたほうがよいでしょう。
肌が乾燥する?!アルコールの作用
基礎化粧品の中にはフェノキシエタノールやべヘニルアルコールなど、アルコールと付く成分がありますが、化粧品中のアルコールとは基本的にはエタノールのことを指します。
エタノールには殺菌作用、収れん作用、洗浄効果の他に、使い心地を良くしたり、乳化剤として配合する場合もあります。エタノールは揮発性があるのでエタノール入りの化粧水はつけた後スーッとして気持ちいいんです。
しかしこの揮発性こそが問題なんです。スーッとする清涼感は付けてすぐにエタノールが蒸発しているからなんです。この蒸発の際に肌の水分も一緒に蒸発してしまいます。エタノール入りの化粧水を使っているうちに肌はだんだんと乾燥してしまいます。
また、エタノールは脂を溶かす効果もあります。ふき取り化粧水などにエタノールが入っていると必要以上に皮脂膜を溶かしてしまいます。皮脂膜は水分が蒸発するのを防いでくれていますので、使い続けるうちにバリア機能は低下して、肌内部の水分が蒸発してしまいます。
エタノールは様々な効果がある優秀な素材ですが、肌が乾燥するデメリットもあります。特にエタノールが高濃度で配合されているものは避けたほうが良いでしょう。
表示義務なし!キャリーオーバーとは
キャリーオーバーとは、英語で、「残っているもの」と言う意味です。キャリーオーバーとは、植物エキスなどを抽出する際に使う化学物質が、抽出後の成分にも残ってしまう事をいいます。
キャリーオーバーの成分の中には防腐剤や酸化剤とともにアルコールもあります。混ざってしまう成分の量はごくわずかですので、普通の肌の方なら大体は問題ないでしょう。しかし、敏感肌やアレルギーなどのある方は注意が必要です。
とはいっても、化粧品には全成分表示義務がありますが、このキャリーオーバーで混入してしまった成分の表示義務はありません。その為、どんな成分がキャリーオーバーに含まれているのか分からないのです。
表示義務にないキャリーオーバーの成分はどうやって気をつければよいのでしょうか?
最近ではこのキャリーオーバー成分までも表示するメーカーも出てきまた。表示義務のないものをわざわざ表示しているオラクルや、HANAオーガニクスなどは信頼性が高く、安心感して使えそうですね。気になる方はこう言ったブランドから探してみてはいかがでしょうか。
どんな成分が無添加なのかチェックしよう
いかがでしょうか。無添加化粧品を選ぶ際にはどんな成分が無添加なのかきちんと確認しましょう。無添加化粧品と聞くと肌に優しそうでケミカルコスメよりも低刺激なイメージがありますが、一概には言えないことを知っておくことも大切です。
しかし化学成分が全て体に悪いものでもありません。それぞれの体質によっても変わってきますし、以前は刺激が強かった成分も技術の進歩によって変化しています。
また自分が避けたい成分が無添加の化粧品でも、レギュラー品を購入する前にはトライアルセットで肌に合うかどうか試してみましょう。一般的には低刺激なものでも、人によっては合わないこともあるからです。
特にキャリーオーバーの問題もありますので、トライアルセットで自分の肌に合うことを確かめてからレギュラーサイズを購入してください。