女性ホルモンの減少が肌を老化させる?
まずは、肌老化に影響を与える女性ホルモンについてご紹介します。女性ホルモンにはエストロゲンと、プロエストロゲンがあります。
・エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれ、肌内部の水分保持料を増やし滑らかで潤いのある肌を保ったり、女性らしい丸みをおびた体型にしてくれるホルモンです。また、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンの生成を促進して肌にハリを与えたり、シミやシワを予防するはたらきもあります。
・プロゲステロンは黄体ホルモンと呼ばれ、皮脂の分泌を促進させる働きがあります。脂性肌(オイリー肌)やニキビ、毛穴詰まりの原因となるホルモンです。特に排卵後から生理前は分泌量が増えるため、肌荒れや大人ニキビが起きやすくなります。
これらのホルモンは一定の周期で、増えたり、減少したりを繰り返してホルモンバランスを保っています。しかし40代後半になると、この2つの女性ホルモンの分泌量が急激に減少します。
女性ホルモンの分泌量が減ることで皮脂の分泌量が減り、肌は乾燥しやすくなります。肌の乾燥は、毛穴の開きやシワの原因となるだけではなく、くすみや敏感肌の原因にも。
さらに女性ホルモンの減少は、肌のハリや弾力を元となるコラーゲンやエラスチンの分泌量も低下させます。これにより肌の弾力も失われ、小さなしわが深くなったり、ほうれい線が目立つようになるのです。
年齢肌のもう一つの原因ターンオーバーの遅れ
40代で起こる肌トラブルのもう一つの原因にターンオーバーの遅れがあります。ターンオーバーは肌の表皮の部分で行われる新陳代謝です。
表皮は下から基底層、有棘層、顆粒層、角質層の4層から成り、基底層で生まれた角化細胞は分解を繰り返しながら、一番表面にある角質層まで押し上げられていきます。
角化細胞は角質層に来るまでに天然保湿因子(MNF)やセラミドなど、肌に必要な保湿成分を分泌し、角質層内に水分を保持する大切なはたらきをしています。
角質層内に一定期間留まり、肌の水分保持やバリア機能の役割りを果たした角化細胞は、最終的には核を失い垢となり皮膚から剥がれ落ちるのです。
このように肌の表面は絶えず入れ替わっている為、傷が出来てもやがて消えてなくなるのです。このターンオーバーの周期は20代でおよそ28日、それが40代になると55日もかかるようになります。
ターンオーバーが滞ると古い角質細胞が、いつまでも剥がれ落ちないわけですから、肌はくすみ、ザラザラしたり滑らかさを失います。また、メラニンも排出されにくくなりシミとなって現れます。
このため、紫外線やニキビ跡が消えずにシミができやすくなります。また、ホルモンバランスが崩れる40代女性が多く悩む肝斑と呼ばれるシミも目立つようになります。
40代の多くが悩むシミ、肝斑とは?
肝斑は40代の女性に多くできるシミで、早い方では30代後半から出始めます。薄い褐色のシミで、頬骨やこめかみに靄がかかったようにできることが特徴です。
現段階ではその原因をはっきりと特定するまでには至っていませんが、女性ホルモンの減少など、ホルモンバランスの乱れが肝斑の原因と考えられています。実際に30代から40代の女性ホルモンが減少する時期に発症し、50代後半になると自然と薄くなるケースが多くみられます。
ホルモンが原因と言われていますが、紫外線に当たると肝斑が濃くなったり悪化することもあります。また肝斑の部分をマッサージしたり、摩擦を加えてもシミが濃くなります。肝斑のできている部分はあまり刺激を与えない様にしましょう。
女性ホルモンの急激な減少はホルモンバランスを乱して肝斑や乾燥肌によるシワ、たるみを引き起こします。さらに皮脂量の低下やターンオーバーの遅れが加わって、年齢肌が気なるようになるんです。
年齢肌を加速させないためにも保湿ケアや美白ケアをしっかりとしましょう。
どんなケアが大切?(保湿ケア編)
小じわやほうれい線、肌のハリが気になる40代の肌には保湿ケアが欠かせません。では、具体的にどんな成分が良いのでしょうか?
肌の保湿のためにはセラミドなどの水分を保持する働きがある保湿成分が必要です。セラミドは肌の角質層にある細胞間脂質の80%を占めています。加齢とともにセラミドも減少するので、化粧品で補ってあげましょう。
乾燥が酷い時は、化粧水よりも美容液の方が効果的です。特にセラミドは脂溶性の成分なので、水溶性の化粧水よりも高配合が可能な美容液で肌にうるおいを与えましょう。
またヒアルロン酸やコラーゲンもお勧めです。化粧品に配合されている成分がそのまま真皮層に浸透するわけではありませんがヒアルロン酸とコラーゲンは保湿効果に優れていて水分を長時間保持することができます。
肌表面が乾燥すると、真皮層にある繊維芽細胞の活動が鈍ることがわかっています。繊維芽細胞はコラーゲンやエラスチンと言った肌の弾力に必要な成分を産み出している細胞です。
コラーゲンとエラスチンが減少したり、固くなると肌全体が下に垂れ下がり、ほうれい線ができてしまいす。ほうれい線を深くしないためにも、肌を乾燥させないようにしましょう。
どんなケアが大切?(美白ケア編)
また新陳代謝の低下による肌のくすみ、シミが気になる方も多いでうよね。シミやくすみの改善、予防に効果的な美白成分をご紹介します。
・ハイドロノキン
ハイドロノキンは肌の漂白剤と呼ばれているほど効果が高い美白成分です。メラニン色素を作り出すメラノサイトの数を減らしたり、メラニン色素を薄くしてくれる作用があります。
しかし比較的刺激も強く、敏感肌の方はお勧めできません。また美白効果が強いので普通の肌につけると白く抜けてしまう危険もあります。使用の際はシミの気になる箇所にだけつけるようにしましょう。
・アルブチン
アルブチンは厚生労働省に認可されている美白有効成分です。ハイドロノキンに糖を結合したものですが、刺激も少なく敏感肌の方でも使用できます。メラニンを作り出すシロチナーゼの抑制作用があり、シミの生成を食い止めます。
アルブチンはハイドロノキンに非常に似た構造を持ちますが、その使用目的は異なります。
ハイドロノキンはすでにできてしまったシミを薄くする効果に優れているのに対し、アルブチンはシミを作らせないようにする抑制作用に優れています。
シミは作らせないようにすることが大切です。日ごろから日焼け止めを塗るなどのケアを忘れずにしましょう。
ターンオーバー促進効果で代謝UP!
美白成分の配合されているコスメを選ぶときはターンオーバー促進作用のある成分も一緒に配合されているものを選ぶと良いでしょう。例えばアルブチンはビタミンCと一緒に使用すると効果がアップします。
アルブチンがシミをこれ以上増やさないようにして、ビタミンCの代謝促進作用で今あるシミを薄くして行きます。アルブチン配合のコスメを選ぶときは同時にビタミンCが配合されているものを選ぶことで、今あるシミの改善と今後のシミの予防が同時にできます。
ビタミンCにはメラニンの生成を抑制する作用や、抗酸化作用、コラーゲンの生成を促す作用などアンチエイジングにぴったりの効果があります。しかし肌に浸透しにくく、壊れやすい為、ビタミンCよりも安定したビタミンC誘導体がお勧めです。
またコエンザイムQ10 (ユビキノン)もお勧めです。代謝促進作用の他に保湿効果、シワの改善などが期待できます。
エイジングケア化粧品には保湿効果と美白効果や、美白効果と代謝アップ効果など、いくつかの効果を組み合わせることで相乗効果が得られるように美容成分が配合されています。
購入の前にはコスメのコンセプトなどをきちんと理解したうえで、自分の肌に必要なものを選んでくださいね。
40代はエイジングケアで、きれいな肌をキープしよう
いかがでしょうか?早い方では30代から始めているエイジングケア。お肌の調子が今までと違って来たらそれがアンチエイジングを始めるタイミングです。
40代は肌の弾力が衰えるだけでなく、ターンオーバーの遅れによるくすみ、しみが目立つようになります。紫外線対策など今までのスキンケの結果が肌に現れてくるのもこの時期です。
今までスキンケアをしていた人とそうでない人の差がハッキリと分かるようになります。老化は止められませんが、その速度を緩やかにすることはできます。今までスキンケアをおろそかにしていた人も、今見直して50,60代に差をつけましょう。
エイジングケア成分配合の化粧品は価格も高いものが多いです。後悔しないためにも、まずはトライアルセットで試してみましょう。特にハイドロノキンは刺激が強いので、何日か使用できるトライアルセットで肌の様子を観察して問題がないことを確かめてからレギュラー品を購入してください。
年齢肌の症状は回復するのに時間がかかります。今からでもスキンケアを見直して、これ以上年齢肌が加速しないようにしましょう。