60代の肌状態
閉経を迎えると今まで分泌されていた女性ホルモン、エストロゲンの分泌が少なくなります。閉経した後でもエストロゲンは副腎から、わずかながら分泌されますが、以前に比べるとぐっと少なくなり、エストロゲンが欠乏した状態が続きます。
するとコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の分泌量がそれまでより少なくなり、肌のたるみやしわ、シミが目立つようになります。角質層にあるセラミドの量や皮脂の分泌も低下していますので乾燥肌になり、バリア機能も低下します。
皮脂は外部からの刺激を遮断したり、肌表面を弱酸性に保って常在菌が住みやすくしていたり、肌を乾燥から守ってくれています。しかし皮脂の分泌が低下した肌は柔軟性を失って硬くなったり、キメが乱れて肌荒れしやすくなります。
ですから、日ごろから皮脂を取りすぎないようにすること、水分・油分の両方を補ってあげることが大切です。過度な洗顔や洗浄力の強すぎるクレンジングは、皮脂を取りすぎてしまうので注意しましょう。
60代のクレンジング
皮脂の分泌が低下している60代の肌はどんなことに気をつけて洗顔、クレンジングをすればよいのでしょうか。
60代の肌は敏感になっていますので、刺激の少ないものが良いでしょう。着色料、防腐剤などの添加物はできるだけ少ないものを選んでください。
セラミドや植物性のオイルなどの保湿成分が配合されているクレンジングや洗顔料もあります。洗顔後すぐに顔がつっぱる方にお勧めです。
年齢肌は洗顔時の摩擦も刺激となってしまいます。コールドクリームやふき取りタイプのメイク落しも肌に摩擦がかかり、肌トラブルの原因となるので、洗い流すタイプのメイク落としの方が良いでしょう。
できればメイクは洗顔だけで落とせるようなナチュラルメイクに留め、洗顔時の刺激を極力少なく済むようにしましょう。
また、保湿に必要な皮脂を落とさないようにするためにも30度程度のぬるま湯で洗顔してください。洗顔後はバリア機能が低下して肌の水分が蒸発しやすくなっているので、すぐに化粧水やクリームで保湿しましょう。
60代の肌は、皮脂の分泌量が少なくなっているため、洗顔剤の使用は夜だけにして朝は水やぬるま湯で軽く洗うだけで十分です。過度の洗顔は肌を乾燥させてしまいますので十分に気をつけましょう。
摩擦でシミができる?摩擦黒皮症とは
紫外線がシミの原因となることは有名ですが、毎日のスキンケアでもシミになってしまうことがあることをご存知でしょうか。摩擦黒皮症は、肌が繰り返し摩擦を受けることにより、メラニン色素が沈着して黒ずんだ肌になる症状です。
多くの場合は体にできますが、顔にも症状が現れることがあります。長年ごしごしと強い摩擦をかけて洗顔していたり、肌を擦るようにファンデーションをつけていたりすると、だんだんと肌がくすんできてシミのようになってしまいます。
特に頬骨のあたりはつい力を入れてしまう個所です。自分では肝斑だと思っていたのに実は摩擦によってできたしみかもしれません。バリア機能の低下した60代の肌は特に敏感になってますので、毎日のスキンケアや洗顔、メイクアップ時の摩擦が負担になることがあります。
クリームや乳液を塗る際も手の平に伸ばした後、顔を包むように優しく押すようにしてつけてください。ファンデーションもポンポンと抑えるようにつけていきましょう。
パフで付けるとどうしても力が入ってしまう方はブラシに変えてみるなど工夫をして、肌に摩擦をかけないようにしてください。
摩擦の負担を考えるならオールインワンコスメ
オールインワンコスメは化粧水、乳液、美容液がひとつになったもので、ゲル(ジェル)状の物を多く見かけます。肌の摩擦によるシミが心配な方はオールインワンコスメを取り入れてみてはいかがでしょうか。
オールインワンコスメに多いゲルは動物性と植物性、化学合成の物があります。保湿性、浸透性を考えるなら合成の物は避けて選びましょう。天然のゲルは肌の上に膜を作ったりしませんので皮膚呼吸を妨げることがなく、新陳代謝もスムーズに行われます。
また、オールインワンゲルは、美白用、乾燥肌、エイジングケア用など、目的に合わせて選ぶこともできますし、肌に触る回数を劇的に減らせる為、肌に負担がかかりにくく、敏感になった肌やバリア機能が低下した肌にお薦めです。
とはいえ季節によってはこれ1本では物足りない時もあります。自分の肌状態に合わせて美容液やクリームなどをプラスしてあげましょう。
新陳代謝を高めてあげることが大切!
肌の乾燥を改善するためにセラミドやコラーゲンなどの保湿成分入りの化粧品でしっかりとケアすることは大切です。それと同時に肌の新陳代謝(ターンオーバー)を高めるような成分が配合されているとなお良いでしょう。
代謝が活発になると皮脂の分泌も進みますし、肌の弾力の元となるコラーゲンやヒアルロン酸の生成も促進されます。代謝促進作用のあるプラセンタやビタミンE,B2などの美容成分が配合されている化粧品がお勧めです。
同時にウォーキングやヨガ、エクササイズなどの適度な運動も心がけましょう。新陳代謝は年齢とともに低下します。今までと同じ生活をしているとどんどん代謝は衰え、シミやしわが増えてしまいます。
運動が苦手なら、ちょっと遠くのスパーに自転車で出かけてみたり、いつもの帰り道を少し遠回りして帰ったりと普段の生活に中で負担にならない程度に始めてみてください。
60代の美肌つくりは化粧品だけでなく、適度な運動や食生活など、トータルで行うことが大切です。
更年期に有効な成分イソフラボンとは
閉経によって女性ホルモンが欠乏状態になっている60代にお薦めなのがイソフラボンです。豆腐や味噌の原料となっている大豆には、イソフラボンが大量に含まれていて、女性ホルモンに似た作用があることがわかっています。
大豆に含まれている大豆イソフラボンアグリコンは、減少した女性ホルモンに変わって働いてくるアンチエイジング効果が期待できるんです。食べ物から摂取するのはもちろんですが、肌につけても効果がある事が分かっています。
化粧品に配合されているイソフラボンには以下のような効果が期待できます。
・大豆イソフラボンアグリコンは肌弾力やシワの改善があります。
・保湿効果で、加齢によって乾燥しがちな肌に潤いを与えます。
・血行促進作用で、くすみがちな肌のトーンを明るくします。
最近ではイソフラボンが配合された化粧品をたくさん見かけるようになりました。ドラックストアなどで見かけるなめらか本舗のシリーズはあまりにも有名ですが、そのほかにも松山油脂のM-markシリーズや丹波堂のクロウル、ナチュセラなどがあります。
60代には、どんな化粧品がお薦め?
ここではお勧めの化粧品をいくつかご紹介します。
・ひげん
群馬県浅間酒造が販売しているコスメです。美白効果のある糀、若返りのビタミンE、Bが豊富な米ぬか、保湿、還元作用のある酒粕の3つのエキスを主成分に使用しています。その他にもコラーゲンやヒアルロン酸などの美容成分が配合されていて肌がしっとりと潤います。
・あきゅらいず
血行促進や滋養強壮などの10種類のハーブを使用した化粧品です。洗顔に洗い流すパック、オールインワンゲルの3つだけと、とてもシンプルなスキンケアで摩擦による肌の負担を軽減できます。
・マナラ化粧品
マナラホットクレンジングゲルは血行促進効果のある温感ゲルでメイクも落せてしまいます。またグリセリン、オリーブオイルやヒアルロン酸などの肌をしっとりと潤わせる成分が配合されていますので洗顔後の乾燥も気になりません。
・豆腐の盛田屋
宮崎県にある豆腐屋さんのスキンケアアイテムです。イソフラボンや抗酸化力の高いビタミンEを配合した化粧品でしっかり保湿できます。合成界面活性剤や鉱物油、着色料無添加の天然由来100%の成分ですので肌に優しく低刺激です。
美容成分の中には肌に負担となるものもあります。できるだけ刺激の少ない成分を選びましょう。
お母さんのプレセントにも!
気になるものがあったらトライアルセットで試してみましょう。最近では様々なブランドからトライアルセットが発売されて、気軽に新しい化粧品の使い心地が試せるようになりました。
エイジングケアができる化粧品は美容成分がたくさん配合されていることが多く、そのため高価なものが多いです。最初にトライアルセットで試して、失敗のないようにしてくださいね。トライアルセットはオンラインで簡単に注文できますのでどんどん活用しましょう。
また最近では母の日や誕生日に化粧品のプレゼントをする方が増えているそうです。確かに年末などのイベントシーズンになるとスペシャルコスメセットを販売するメーカーも毎年増えて来ていますよね。
毎日使うものですのであまり高価なものは自分では買いづらいというお母さんへ、普段自分では買わないような化粧品をプレゼントしてみてはいかがでしょうか。この記事を参考にして、素敵なプレゼントを選んでくださいね。